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『マスク着用に警鐘!』サッカー・屋外スポーツ時の熱中症や呼吸不全の危険性に提言【日本臨床スポーツ医学会・日本臨床運動療法会が共同声明発表】

ウィズ・コロナの時代…屋外スポーツ時の「マスク着用」に警鐘を鳴らす提言が出されました。

日本臨床スポーツ医学会・日本臨床運動療法学会が、屋外での運動の有用性とリスクについて正しい理解を深めるための共同声明を発表しました。夏の暑さの中、マスクを着用しながら運動することで高まる危険性についても言及しています。

↓本文は写真の下から始まります↓

屋外運動時のマスク着用『推奨せず』
日本臨床スポーツ医学会・日本臨床運動療法学会共同声明発表

7月6日(月)、日本臨床スポーツ医学会と日本臨床運動療法学会がオンラインでの会見で「屋外運動時のマスクや口鼻を覆うものの着用は、基本的には推奨いたしません」と発表しました。

「マスク着用では強度の運動は困難」「夏は熱中症の危険も高まる」

ウィズ・コロナの時代、感染予防に配慮して実施する「心身の健康維持・増進のための屋外での運動」は自粛項目には含まれていません。しかし、運動時の激しい換気による飛沫飛散での感染を恐れる傾向も根強く、その防止策として「マスク着用が有効である」との認識が持たれるようになりました。そのため、マスク姿でランニングする人を見かけることも少なくありません。

両学会は、運動中に増大する換気量によってマスクの形状に変化が生じることを踏まえ、運動時と安静時の両方で、前面からの気流を直接受ける状況においてマスクが同程度の機能を果たせるのかどうか、十分な検討はなされていないとしています。
また、屋外では呼吸による飛沫はすぐに蒸発するとのデータもあり、「ソーシャルディスタンス」を守ることで感染防止が防げるという見解を示しました。

マスク等の着用は、呼吸が制限されることで強度の運動の実施が困難となるだけでなく、気温と湿度の高い夏季には呼気からの気化熱、顔面の皮膚血管拡張による熱放散を妨げる要因となり、熱中症になる危険性も高くなるようです。

厚生労働省と環境省も熱中症予防の対策として、負荷がかかる作業や運動時に屋外で他人と2メートル以上の距離が取れる場合には、マスクを外すことを求めています。

海外では、マスクをつけたまま体育の授業を受けた子供が死亡するという痛ましい事故が実際に起きています。

「誤認」と「過度の心配」が悲劇を招かないためにも、屋外での運動の有用性とリスクについて正しい理解を深めることが、より一層重要になると言えそうです。

「6つの提案」屋外運動時の注意事項

日本臨床スポーツ医学会と日本臨床運動療法学会より提案された屋外での運動に際しての注意事項を以下に掲載します。

  1. 運動は、ストレス・生活習慣病・認知症・要介護等の予防・改善に極めて有効です。高齢者や有疾患者、障がい者の方も主治医に相談した上で、これまで通り実施してください。
  2. 屋外運動時のマスクや口鼻を覆うものの着用は、基本的には推奨いたしません(熱中症や呼吸不全の危険が高まる可能性があり、海外では死亡例もあります)。
  3. 新型コロナウイルスはすれ違った程度では感染しないと言われていますが、空いた場所や時間を選び、少人数(できれば一人)で、信号待ち等も含め2m以上のソーシャルディスタンスを保つようにしてください。
  4. ロッカールームや更衣室などは、三密(密閉・密集・密接)になりやすいので特に注意し、使用後のタオルは他人が触れないように気をつけてください(汗からの感染はありませんが、鼻や口も一緒に拭くことでウイルスが付着する危険性があります)。
  5. 高強度・長時間の運動後には、一時的に免疫機能が低下することがあり、感染予防に気を配ってください。
  6. 国や自治体が屋外での運動を禁止した場合は、それに従ってください。

参照:Digital PR Platform(←こちらで全文をお読みいただけます。)

7月6日(土)に行われたZoom会見の動画が、YouTubeの「同志社大学スポーツ医科学研究センター」のチャンネルに掲載されています。

参考文献
日本臨床スポーツ医学会・日本臨床運動療法学会共同声明「新型コロナウイルス感染拡大防止期間中における屋外での運動に際しての注意」発表(AGARA紀伊民放)
屋外運動時のマスク着用「推奨しません」共同声明(日刊スポーツ)

【プラス1情報】
マスク着用で要警戒!「高炭酸ガス血症」とは?

マスク着用での運動時の危険性は熱中症だけではなさそうです。

呼気に含まれる二酸化炭素(炭酸ガス)がマスク内に溜まり、それを吸い込むことで息苦しくなったり、気分が悪くなるといった症状が出る『高炭酸ガス血症』にも警戒が必要なのだそうです。

大阪府監察医で千葉科学大学危機管理学部の黒木尚長教授によると、『高炭酸ガス血症』はいわば二酸化炭素中毒。血中の二酸化炭素濃度が高くなり、これが重篤化すると呼吸困難や昏睡を引き起こすのだそうです。血液が酸性になったために致死性不整脈を起こし、急死することすらあるのだといいます。

「季節に関係なく、運動や負荷の高い作業をしているときにマスクを着用することに問題がある」と黒木教授は警鐘を鳴らします。

「マスクには、ウィルス感染の予防効果はほとんど期待できず、他人にうつさないためにするというのが本来の役目。咳やくしゃみは肘の内側で鼻と口を覆う咳エチケットで十分です。

屋外で人が密にならなければマスクをする必要はありません。屋内や人と接するときにはマスクをした方がいいですが、息苦しくなったらすぐに外した方がいいでしょう。コロナ予防の観点から言えば、マスクより手洗いを徹底することの方が重要なのです。」

夏場だけに限らず、激しい運動や負荷がかかる作業をするときのマスク着用については今一度、正しい知識を深め、コロナ感染以外のリスクも意識していく必要がありそうです。

参考文献
夏場のマスク 熱中症より警戒すべき「高炭酸ガス血症」とは(NEWSポストセブン)

最後に

ウィズ・コロナと言われる時代、新たな生活様式が求められる中で、マスクとの付き合い方については今一度見直しが必要なのかもしれません。

サッカーなど、子供たちのスポーツの活動が再開してまもなく、これから暑さが増していくことにも配慮し、コロナ感染意外の危険にも目を向けることも大切なことだと感じました。

正しい知識を深め、適切な対策を取りながら子供たちのサッカーをサポートしていきたいですね。

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この記事を書いたライター

JUNIOR SOCCER NEWSテクニカルマイスターWriterCrane
滋賀県在住ライターのCraneと申します。
2022年8月にライター歴5年目に突入、サッカー娘の母歴は丸12年になりました。

どんな試合でも、その一戦を迎えるまでにどれほどの努力があったのか。そしてそこに、どれほどの方の支えがあったのか。

頑張っている選手達、それを支える保護者、指導者の皆様が持つ数多のドラマに想像を張り巡らせてはリスペクトが泉のように湧き上がる日々。
涙腺も年々緩くなり、留まることを知りません。

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