東京都高校サッカー部進路シリーズ
第1弾:東京都の高校受験のシステム
第2弾:情報集め・選ぶ基準・内申点は重要か?
第3弾:推薦でサッカー進学したい! Here
第4弾:高校サッカー部受験は小4から始まっている?
第5弾:インタビュー「サッカー推薦ってどうやって決まるの?」
第6弾:インタビュー「サッカー推薦の前に知っておきたいこと」
高校でサッカーをするときは、まず大事にしたいのが「やりたいサッカー、行きたい学校」。行きたい学校≠(偏差値的に、サッカー的に)行ける学校では必ずしもないのが難ではありますが、まずサッカーのレベルで行く学校を決める、という決め方にフォーカスしてみます。
東京都の高校サッカーにはいくつか区分があります。
・プリンスリーグ参加校、Tリーグ参加校
・地区リーグ参加校
・大会ベスト8~16
どの学校でサッカーをやりたいかを考えたとき、真剣にやりたければやりたいほど、学校の戦績は無視できなくなってくるでしょう。
強さで規模が違う東京のサッカー部
プリンスリーグ参加校、Tリーグ参加校
東京都の学校で現在プリンスリーグ関東に参加している高校は帝京高校のみです。県リーグとしての「東京都リーグ」は1部から4部まで、その下に地区トップリーグがあり、その下に各地区(東京には8地区の区分があります)のユースリーグというものがあります。
Tリーグは東京都の上位リーグのため、Tリーグに名前を連ねている学校は、かなりの確率で都大会に出場してくる学校です。
Tの上位リーグの高校のサッカー部に入る場合
熾烈なレギュラー争いを覚悟しなければなりません。私立はサッカー推薦があるところがほとんどなので、あらかじめレギュラー候補は推薦などで確保してしまうところも多く、部員も1~3年生で200人近いところが珍しくありません。
Tリーグ上位校の中でも、複数のチームがTリーグに参加しているところもあります。たくさんのチームがレベルの高い公式戦を経験できるところといえるでしょう。
駒澤大学高校
トップチーム T1リーグ
Bチーム T2リーグ
Cチーム T3リーグ
Dチーム T4リーグ
國學院久我山高校
トップチーム T1リーグ
Bチーム T2リーグ
Cチーム T4リーグ
実践学園高校
トップチーム T1リーグ
Bチーム T3リーグ
Cチーム T4リーグ
関東第一高校
トップチーム T1リーグ
Bチーム T3リーグ
東海大付属高輪大高校
トップチーム T3リーグ
Bチーム T4リーグ
都立東久留米総合高校
トップチーム T1リーグ
Bチーム T4リーグ
※2019年度Tリーグ参加チーム
※このほか、Tリーグ参加校でユースリーグにB、Cチームがある学校がほとんどです。
地区リーグ参加校の場合
Tリーグの下部リーグとして、各地区のリーグがあります。その地区のトップレベルの学校を集めた「地区トップリーグ(地区によるグループ分けはありません)」があります。
地区リーグ(ユースリーグ)では、東京都を8つの地区に分けた各地区内でリーグが行われます。1つの高校が複数のチームを参加させている場合、BチームがAチームと同じグループで参加することはできないため、Bチームの昇格が先に決まるとAチームも何とか昇格しないと翌年はチーム自体が1つなくなる、ということになります。そのあたりの順位争いもシビアです。
ですが、人数は中学校の部活とほぼ変わらなかったり、3年生だけではチームが組めないので1,2年生から試合に出ることができたりと、活躍の場が多いのも地区リーグの特徴です。練習自体も強豪校ほど厳しくなく、塾などとの両立も十分可能なところもあります。
一度リーグを見に行くのもおすすめです。トーナメントとはまた違う各校の実戦風景も見られたりします。入ったばかりの1年生が出場しているリーグもあります。地区リーグは各校の校庭で行われることが多いので、ベンチや選手との距離も近く、雰囲気を知るにはうってつけなのではないでしょうか。
地区トップリーグはこちら
1地区リーグ(リバーサイドリーグ)
2地区ユースリーグ(DUOリーグ)
3地区ユースリーグ
4地区ユースリーグ
5地区ユースリーグ
6地区ユースリーグ
7地区ユースリーグ
8地区ユースリーグ
サッカー推薦で入りたい!
サッカー推薦で入るには3つの方法があります。
①高校の監督からスカウトを受ける
中2の冬~中3の夏にかけて、高校と練習試合が組まれることがあります。そのなかで有望な選手がいると、直接チームの監督を通して声をかけられることがあります。もちろん、全国大会や関東大会、都大会などで声をかけられることもあります。もうこの時期は(6月現在)いろいろな学校から話が来て、ある程度決まっている人も珍しくありません。
- 余談・推薦を考えるとき…選手にはランクがある?
-
実際に東海地方の強豪校へ行った選手の保護者に話を伺ったところ、「選手にはランクがあるんです」といわれました。
Sランク U-15日本代表クラス
Aランク 全国大会活躍クラス
Bランク 都道府県代表、全国大会出場クラス
Cランク
Dランクこれはあくまで保護者の話によるもので、どこかに明記してある種類のものではありません。その選手自身はBランクだったとのことなので、Cランク以下の戦績はよくわからないとのことです。Bランクの選手でも、広く中国地方や関東地方、東北地方からオファーがあったとのことです。ただし、学校によってはBランクでも特待枠にならない(全額無料などの優遇措置対象にはならない)とのことでした。
※こちらは一例にすぎません。なお、求める選手のレベルについては、募集要項に明示されている学校もありますが、都内でサッカー推薦を行っている学校の中で、確認した限りではこのランク分けと同一のものが募集要項に明示されている高校はありませんでした。こういったランクが実在するのかも含め、参考程度にお読みください。
②チームの監督から紹介を受ける
クラブチームの監督から直接紹介を受けて、指定の高校に行きます。練習会などの参加を経て決まるようです。紹介を受けられる学校は様々で、「どこどこのチームは東北方面に強い」「どのチームは大阪、兵庫に強い」などという話も聞いたことがあります。所属チームによって特色があります。
こちらもご参照ください。2018年度の選手権のデータをもとにしています。
【東京都Aブロック】第97回高校サッカー選手権出場校の出身中学・チーム一覧【サッカー進路】
【東京都Bブロック】第97回高校サッカー選手権出場校の出身中学・チーム一覧【サッカー進路】
③学校を通じてサッカー推薦を受ける
サッカー推薦、スポーツ推薦を行う高校の推薦入試を受験する方法です。上記に名前を挙げた私立はほとんどスポーツ推薦枠があります。一般公募のセレクションを行うところもあります。中学校を通して申し込みをするところと、個別に高校に申し込みをするところがあります。
こちらもご覧ください。
2018年にセレクションを一般公募した高校サッカー部
都立高校の場合
都立高校でサッカー推薦を行っているところもあります。「文化・スポーツ等特別推薦実施校」と呼ばれています。
※平成31年度入試による
※「都立」を省略しています
※男子サッカー部のみの募集人数です
城東高校 3名 倍率6.3倍
東高校 2名 倍率5.5倍
深川高校 2名 倍率6倍
鷺宮高校 3名 倍率5.67倍
武蔵丘高校 3名 倍率2倍
杉並高校 2名 倍率4倍
豊島高校 3名 倍率1倍
高島高校 3名 倍率5倍
石神井高校 4名 倍率5倍 T4
光丘高校 3名 倍率1倍
青井高校 3名 倍率1倍
足立高校 2名 倍率3.5倍
足立西高校 2名 倍率1.5倍
足立東高校 2名 倍率0.5倍
葛飾野高校 5名 倍率3倍 T4
南葛飾高校 3名 倍率9倍
片倉高校 4名 倍率2.5倍
八王子北高校 2名 倍率2.5倍
府中東高校 4名 倍率5.75倍 T4
小平南高校 2名 倍率5倍
東村山高校 2名 倍率4倍
東村山西高校 3名 倍率4倍
福生高校 4名 倍率2.75倍
狛江高校 3名 倍率6.33倍 T4
東大和高校 2名 倍率3.5倍
東大和南高校 4名 倍率5倍 T4
武蔵村山高校 5名 倍率3.6倍
永山高校 2名 倍率2倍
羽村高校 4名 倍率1.25倍
保谷高校 4名 倍率3.75倍
深川高校 1名 倍率0倍
墨田川高校 3名 倍率1.33倍
美原高校 4名 倍率2倍
杉並工業高校 5名 倍率0.4倍
つばさ総合高校 4名 倍率0.75倍
杉並総合高校 2名 倍率2.8倍
今まで「都立でサッカー推薦があり、倍率も非常に高いところ」というと東久留米総合高校(T1)がトップに名を連ねていました。平成31年度入試(2019年2月受検)の資料だとサッカー推薦校に名前はありませんが、かつては常に10倍を超える倍率だったようです。
私立高校の場合
私立高校は都立高校よりも一般的にサッカー推薦の人数が多いところが多いです。ですが多くの高校は推薦人数を明らかにしていません。
サッカーも強く、偏差値も高いことで知られる
國學院久我山の入試要項を見てみると、推薦入試に「サッカー推薦」という枠はありません。推薦枠は男女合わせて50名あります。
5教科合計22
全教科の内申評定に1および2がないこと。
第3学年2学期末までの欠席が10日以内であること
などが入試要項に明記されています。
強豪校のサッカー推薦はそれ自体が要綱自体には明記されていないところが多いです。
T1のチームで見てみると、
成立学園高校
※スポーツに対する記載なし
※アスリートクラスに対する記載なし
成立学園中学・高等学校募集要項
アスリートクラス、スポーツクラス、スポーツ推薦について明記されている学校の一例を紹介します。
関東第一高校
7月~8月にかけてサッカー部の練習会が例年行われています。
スポーツコースに男子40名の推薦枠があります。
スポーツ奨学生制度があります。
スポーツ奨学生制度を受けるには、「入試相談」を中学校と高校の間で行う必要があります。
スポーツ実績条件は、「全国大会出場・地域大会への出場、または都道府県大会ベスト8以上の成績に匹敵する実績」とされています。スポーツの対象種目は硬式野球・サッカー・バドミントン・バレーボール・ハンドボールです。
実践学園高校
スポーツ・サイエンスコースがあります。
スポーツ・サイエンスコースはサッカー部と野球部の生徒で編成され、事前に実践学園高校サッカー部の顧問の先生との相談が必要です。
出願条件は
推薦:3科11以上、5科17以上のいずれかを満たすことが必要です。
併願:3科12以上、5科18以上のいずれかを満たすことが必要です。
駒澤大学高校
サッカー部には体験会・セレクションがあります。夏から11月くらいまで例年行われています。
推薦入試は
3教科(国・数・英)評定合計12以上かつ9教科評定合計34以上。または、5教科(国・数・英・理・社)評定合計20以上かつ9教科評定合計34以上。
9教科中に1,2の評定がないこと。
が条件です。
強豪校って何だろう?
「強豪校」に明確な定義はありません。ジュニアサッカーNEWSにおける強豪校は、各県大会のベスト8以内に3年以内に入ったチームをさしますが、高校が200校以上ある地域においては、ベスト16も強豪校として考えることもあります。
東京都の高体連加盟校(インターハイ、高校サッカー選手権に出られる学校)は328校。ベスト16はそのうちの5%。ベスト8だとそのうちの2.4%になります。
東京都で一番上位のリーグに加盟している高校は、帝京高校。東京都リーグの上のプリンスリーグ関東に参加しています。
東京都にはTリーグといわれる東京都リーグがあります。T1(1部)からT4(4部)まであり、昇降格によって変動します。T1、T2に参加できるチームはそれぞれ10チーム。クラブユースを除くと、
T1
成立高校
國學院久我山高校
関東第一高校
実践学園高校
駒澤大学高校
都立東久留米総合高校
東京朝鮮中高級学校
T2
国士舘高校
東京実業高校
早稲田実業高校
堀越高校
大成高校
修徳高校
の13校です(2019年度)。
近々の関東大会東京都予選では、
優勝:國學院久我山
準優勝:都立東久留米総合
第3位:関東第一、大成高校
ベスト8:駒澤大高、都立国分寺、国士館、日大豊山
という結果でした。
※強豪校の定義には諸説あります。プリンスリーグ以上の学校を強豪校、全国大会出場歴のある学校を強豪校、という説もありますし、〇年連続でベスト8に入ったから強豪校、という説もあります。はっきりした定義はなく諸説あるため、弊社コラムではその都道府県の中でベスト8、または上位5%程度の学校を「強豪校」と呼んでいます。
東京都の高校選びシリーズは、不定期連載です。
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第5弾:インタビュー「サッカー推薦ってどうやって決まるの?」7月4週公開予定