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東京都の高校受験・いつから情報集め?選ぶ基準は?内申は重要?【高校行ってもサッカーしたい!】第2弾

情報集めの時期・何を集めるか
意外に大事な距離の問題
内申点って大事?

いつから情報を集める?

早い人では中1から高校の情報を集めています。中には、中学3年間で50回学校見学した(同一校への学校見学参加を含む延べ回数)という猛者もいます。高校の情報は遅くとも中2の冬までに集めておくのがおすすめです。

なぜこんなに早く動き始めるかというと、東京には高校が多すぎるからというのが理由のようです。中3の夏にまず高校へ行ってみて、それから気になった高校の文化祭を見ようかな、サッカー部の体験会に行こうかな…と考えていると、実際は「気になる学校が決まらなくてどこも見に行けない」ということが起きます。

また、東京のほとんどの都立高校は文化祭が9月の2週目の土日に開催されます。1日に何校もはしごができるほど高校同士は近くありません。東京には学区がないため、選択肢が膨大です。膨大というのは選ぶ自由がある、という意味で非常にメリットはありますが、多すぎて選びきれないうちに時間が経過していく、というデメリットもあります。「気になる高校」レベルの関心で良いので、中1の段階から考えておくことがおすすめです。

何の情報を集める?

高校でサッカーしたい!選手権に出たい!という場合に必要な情報は、

  • どの高校が自分のやりたいサッカーレベルにあっているか(強豪校、都大会出場校、地区上位校など)
  • どんな雰囲気のチームか(先輩後輩厳しいか、ボール触らせてもらえるか、コーチはどうか)
  • サッカー推薦があるかどうか
  • 家から学校、グラウンドまでの時間(距離)
  • 全日制の学校か定時制の学校か
  • 勉強のレベルはどうか、進路はどうか

が必須です。

学校のサッカーレベル=大会情報を見よう!

東京都の高校大会情報はこちら

保護者の若いころの記憶とは少し違っているかもしれません。
現在インハイ予選が行われていますが、通える範囲内の学校はどのくらいの強さなのかチェックしてみましょう。

どんな雰囲気のチームか=試合に行こう!

座る場所はベンチの声が聞こえる最前列か、部員が固まっている席の声が聞こえる程度の近くがおすすめです。
都大会がいつも行われている駒沢球技場は補助グラウンドと第2グラウンドが道路を挟んで隣接しており、一度に2試合(4校)行ったり来たりすることが可能です。

緩い雰囲気のところから厳しい雰囲気のところまで、応援も規律正しいところから部員が応援よりも試合展開に夢中になってしまっているほほえましいところまでいろいろあります。観戦は勝手にグラウンド観客席へ入ってしまって大丈夫です。客席が設置されているところの逆サイド(客席はなし)は部員応援席のように使われることが多いですが、普通の観戦者の方もいらっしゃいます。試合開始前に横断幕を張ったり、のぼりを設置したりする作業にも部活の雰囲気があらわれます。

観客席に入っていく時は、ビデオカメラの前を横切らないように注意してください。サッカー部員の中でのデータ班(記録当番)が撮影していることがあります。俯瞰で取るために最後尾や後ろのほうの列にいることが多いです。

どんな雰囲気のチームか=部活体験会に行こう!

夏休み中の部活見学、部活体験会があったら参加してみましょう。
中学1年生でも受け入れてくれるところが多いです。

部活体験会の日程に直接参加できる場合はFAX送付などの申し込み方法が主です。イレギュラーな日(学校が指定する日)以外でも相談すれば受け入れてもらえることがありますので、その際には下記をご参照ください。

【高校サッカー】部活見学・体験したい!そんなとき、気を付けたいマナー・NG例
【内容】
誰が電話をかけるか
電話マナー、大丈夫?
いつなら電話して平気?
メールで連絡する場合

サッカー推薦があるかどうか=入試要項を見よう!

サッカーで高校に行きたい!という方はまず行きたい高校にサッカー推薦があるかどうか確認してください。スポーツ強化校でも、サッカーは対象外のところもあります。もしサッカー推薦がない場合は学力推薦を受ける必要があります。自分のレベルと行きたい学校のレベルを見比べ、必要があれば努力しましょう。

サッカー推薦がある場合は、体験会という名のセレクションがGW~夏の間に行われるところが多いようです。この体験会の多くは自チームの監督から声をかけられる場合にのみ参加できます。一般公募している学校も数は少ないですがあります。

もちろん、推薦は無理…という方にも「サッカー推薦があるかどうか」は重要な問題です。サッカー推薦の生徒数だけで1チーム組めてしまう、という学校もあるためです。もちろんレギュラー争いはし烈になってくるでしょうし、その生徒たちの間に割って入らない限り3年間すべての公式戦に出るチャンスなし、という可能性もあるかもしれません。

東京都にある学校は、都立高校が186校、私立221校。サッカー部のある学校で、東京都高校体育連盟に加盟している学校は328校です。一番やりたいタイプのサッカーが自分の挑戦したいレベルでできる、そんな高校に巡り合ってください。

家から学校、グラウンドまでの距離=マップを活用しよう!

1時間~1時間半以内で選んでいる方が多いようです。

学校を選ぶときにはやる気に満ちていますから、2時間通学圏を選んでも問題はありません。うまくいっているときは2時間の道のりも苦しいとは感じないと思います。心配なのが、うまくいかないとき。スランプやケガ、故障などモチベーションを低下させる要因はいろいろあります。

うまくいかないときに「大変すぎる通学」は学校そのものに行きたくなくなってしまう可能性があります。万が一のケガの時のために、「親が車で送っていける範囲」という選択基準もあります。

グーグルマップ、ヤフーマップなどで簡単に徒歩を含む所要時間を調べられます。

全日制のみの高校と定時制併設の全日制高校の「部活の差」

全日制のみの高校か、全日制であっても定時制を併設しているかというのは、部活の練習時間に関係してきます。

インターハイ、高校サッカー選手権に出たいと考える場合、自分の行く学校は「全日制」一択なのですが、行きたい学校が定時制を併設しているのかどうか、ということは一度確認してください。

定時制を併設している学校は、17時で生徒の全入れ替えをするために、17時には部活を終了して学校を出なくてはならないところがあります(私立は定時制に2部制を取り入れているところもあり、この限りではありません)。そのため、平日練習に学校内のグラウンドを使う場合は1日2時間足らずしか練習できません。専用グラウンドを持っている都立東久留米総合高校も定時制を併設していますが、ここは練習時間に定時制の影響はないようです。

2019年度の東京都では、定時制を設置している高校は私立・都立合わせて59校です。

もちろん、定時制を併設していて練習時間が短いから弱い、というわけではありません。限られた時間で練習を行っている高校でも練習を工夫して都大会に出場するレベルのところもあります。また、その分土日にたっぷり練習を行うなど工夫をしているところもあります。

勉強のレベルはどうか、進路はどうか

サッカー推薦で高校に入ると進路は文系しか選択不可、という高校もあります。サッカー推薦でない場合はそれほど縛りはないようです。そのような諸注意については、保護者説明会で必ず説明されると思いますので、入試前に説明会がサッカー部単体で行われる学校にはぜひ参加しておきましょう。

自分の高校卒業後の進路も漠然と考えて高校を選ぶことも大事です。

内申点って、そんなに重要?

受ける高校と自分の得点力によっては重要です。
当日の「貯金」という言い方をしている学校の先生がいました。

ですが、内申点がなければ高校に受からないか、というとそんなこともありません。

こちらのグラフをご覧ください。

各学校には合格基準点というものがあります。(毎年の受験生のレベルによって異なります)

その合格基準点を超えたら受かるのですが…

内申点がない人は矢印の分だけ、当日点(テストの点数)を多くとらなければなりません。某高校の入試説明会では、換算内申の1点が実際の試験の4.6点にあたると説明されていました。

つまり、換算内申45の人と55の人がいたとしたら、同じ高校に受かるとき、換算内申45の人は55の人よりも46点多く得点しないと合格しません。言い換えたら、当日の得点がとれるなら影響は少ないのではないでしょうか。

ここでもう一つややこしいのですが、当日点の46点というのは、実際の試験の点数(5教科500点満点)の33点に相当します。

2019年度現在の都立高校の内申点と当日点の比は、300点:700点です。

500点満点を700点に換算するので、実際に取った点数×1.4が「当日点」です。
ややこしいので、ざっくり「換算内申の1点は当日点の6点(実際の点数では4.6点)」と覚えておく方法を推奨しているようです。

閑話休題 オール2で都立日比谷に合格できるか

オール2だった場合の換算内申
主要5教科:2(評価)×5(科目)=10
実技4教科:2(評価)×4(科目)×2=16
合計換算内申=26

26(換算内申)×300/65(点数との割合)=120(内申点)

現在の都立御三家、都立日比谷、都立西、都立国立の合格6割目安は合計880点です。

なので、内申がオール3でも当日全科目100点を取れば6割合格、ということになります。

オール2だった場合の換算内申は26。換算内申が26(内申点120点)の子が日比谷高校を受けようとした場合、総合得点は880点が合格6割の目安なので、あと760点必要です。

ところが当日点は全教科100点をとっても700点が満点なので、満点とっても820点。これは届きません。

と考えがちですが、ここに「自校作成問題」が入ってきます。

東京都の進学校はある一定以上のレベルの学校になると共通問題は理社だけになります。国数英は「自校作成」という試験が出題されます。一般試験だとみんなが100点を取ってしまって差がつきにくくなるので、それぞれの学校の先生がそれぞれの学校のレベルにあった「こういう生徒が欲しい」という問題を出してきます。上記の計算の「日比谷880点」ですが、これは実際の試験の合格基準点ではありません。自校作成問題の平均点は各校6割程度(数学のみ5割程度、英語は7割のところも)と入試説明会では説明されるようです。

なので、共通問題を使用する高校との兼ね合いから「880点」という目安点が表示されることが多いのですが、実際には390点(換算点546点)に届かない程度の当日点、という自校作成校もあるようです。すると全教科満点との差は254点。ここで5教科100点を取った場合は計算上オール2(オール5との差は180点)でも合格不可能ではないのでは。と言われていますが、自校作成問題で100点をとれる生徒がオール2をとるのはかえって難しいと思いますので、これは「理論上は可能、ただし実現は非常に困難」ととらえておいていただきたいと思います。

東京都の高校選びシリーズは、不定期連載です。

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    この記事を書いたライター

    JUNIOR SOCCER NEWS統括編集長/事業戦略部水下 真紀
    Maki Mizushita
    群馬県出身、東京都在住。フリーライターとして地方紙、店舗カタログ、webサイト作成、イベント取材などに携わる。2015年3月からジュニアサッカーNEWSライター、2017年4月から編集長、2019年4月から統括編集長/事業戦略部。2023年1月からメディア部門責任者。ジュニアサッカー応援歴17年。フロンターレサポ(2000年~)

    元少年サッカー保護者、今は学生コーチの親となりました。
    見守り、応援する立場からは卒業しましたが
    今も元保護者たちの懇親会は非常に楽しいです。

    お子さんのサッカーがもたらしてくれるたくさんの出会いと悲喜こもごもを
    みなさんも楽しんでくださいますように。

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