(この記事は再掲です)
お子さんが4年生になったころからちらほら聞く「トレセン」という言葉はいったい何のことでしょう。
トレセンとはなんのことで、何を目指すのか。何のためにあるのか。また、全国各地の指導者たちはトレセンをどうとらえ、どのように指導しているのか。
ジュニアサッカーNEWSでは全国各地の指導者(コーチ)・監督・トレセンスタッフの方々に電話インタビューを行いました。※2019/6/12現在 20名
今まで突っ込まれてこなかったトレセンのことをお伝えしていこうと思います。内容予定は以下の通りとなっています。
また、この記事に関しまして全国のチームコーチ、トレセンコーチからコメントをいただいております。その中に「トレセンというものをしっかり伝えるため、メディアとして公正な立場で記載をお願いします」というご意見がありました。さまざまなコーチ・指導者のご意見を公正に伝えられるよう、たくさんの声を参考にしたいと思っています。追加でインタビューを受けてくださる方がいらっしゃいましたらこちらからご連絡をお待ちしています。
※下記の意見は、サッカー協会の示す公式な見解ではありません。
あくまでも一つの意見として参考にしてください。
また、サッカー協会へのお問い合わせ等はお控えください。
記事一覧
トレセンとはなんの略?何をするところ? 2019年5月4週配信
こちらの記事です。掲載予定と「トレセン」というものについて、
「トレセンってほんとのところ、どうなんですか?そして、何なんですか?」に対する指導者の方々の一言をまとめました。
【本気でトレセンに受かりたい子必見】「受かりやすい理想の選手像」はあるの!? 6月1週配信
トレセン制度の仕組み、そして、各地のサッカー協会や連盟が公表している「理想の選手像」や「テスト内容」、そして記事を読んで投稿してくださった方からの情報をご紹介しています。
トレセン「受かりやすい選手」はどんな選手!? チーム関係者・トレセンスタッフインタビュー 6月2週配信
選考会に選手を送り出すチーム関係者と選考スタッフへのインタビューを中心にお届けします。「どんな選手が受かりやすいのか」「体が大きいとか、足が速いという要素は影響するのか」などを伺いました。
トレセン選考会に落ちたのはなぜ?「うまい子でも落ちる」は本当だった!前編「印象とメンタルの弱い子」 6月4週配信
あの子のほうが絶対うまいのに、なぜあの子は落ちてこの子が受かったの?
その疑問の答えはいろいろなところにありました。
トレセン選考会に落ちたのはなぜ?後編「話が聞けない子はアピールもできない?」 7月1週配信
なぜあの子は落ちてこの子は…の後編です。身につまされる内容が盛りだくさん。コーチたちから「こんな子は実力を発揮できない」「このタイプの子は受からない」をうかがってまとめています。
トレセン合格はどうやって決まる? 7月3週配信
実際のところ、トレセンの合格はブラックボックスだと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。投票制のところ、ポイント制のところ…いろいろありましたが、トレセンの選考担当コーチたちから聞いたお話をまとめています。
トレセン選考会に合格するためのトレーニングをコーチに聞きました!(初級) 8月4週配信
トレセンはゴールではない。ただし、サッカーがうまくなる延長線のどこかにトレセンというものがあってもよいかもしれない。そんな視点で「合格のため」=「サッカーがうまくなるため」に日常的にできることを伺いました。
トレセン選考会に合格するためのトレーニングを聞いてみました(中級)9月1週配信
もっとサッカーレベルをアップさせたい!という方のために初級編からステップアップした内容を伺いました。
コミュニケーション能力はどうやって高めたらいいか、サッカー脳はどうやって育てたらよいか?など深堀して伺っています。
メンタルを強くしたい!実力を発揮できる子になるために親ができる2つのこと 9月1週配信
メンタルは気合では強くなりませんが、トレーニングによって強くすることはできます。メンタルを強くするために有効な方法を伺いました。メンタルを強くしたい選手・強くさせたい保護者の方はぜひお試しを!
トレセン、GKの選考基準は「やっぱり身長」なのか?に迫る! 9月2週配信
「GKの選考基準ってどうなってるんですか?」ということについて聞いてみました。高身長とは中学生で何センチ?そこからわかった、驚きの身長情報、まだ成長期の来ていないGKは何を伸ばせばいいのかについてまとめました。
女子のトレセンの選考基準は?女子トレセンと男子トレセン、何が違うの? 9月3週配信
女子のトレセンと男子のトレセンは何か違うのか?何が違うのか?について伺いました。男子とほぼ10年の継続の差がある女子トレセン。現場の声をまとめました。
トレセン選考会でやってはいけない4つのポイント 10月2週配信
トレセン選考会で「これをやったら落とす」ということはあるのでしょうか。「選考の前に落としたこともある」という声も。選考会前の参考にしてください。
極論、何ができればトレセンに合格できる?サッカートレセン選考基準 10月3週配信
検定試験などとはちがい、「これさえできていればよい」というものがないトレセン。それでも、「これができていれば合格する」というものはあるのか、現場の声を伺ってみました。
指導者が本音で教える「伸びる子/個の育て方」 10月4週配信
伸びる子と伸びない子は何が違うのでしょうか。素質がある子でも伸びない子はいると言われると、ドキッとしてしまいます。どうやったら伸びる子になるのか、どういう環境で育ててほしいと指導者は考えているのか、どう育成してほしいとトレセン指導者は考えているのか?ということをまとめました。
トレセンに落ちてもがっかりしなくていい3つの理由 11月4週配信
トレセンに選ばれなくても、落ち込む必要はない。こういう指導者もたくさんいます。インタビューをまとめていたら見えてきた、「がっかりしなくてもよい3つの理由」をご紹介します。
トレセン、こんな地域もあるなんて( ゚Д゚)指導者が感じる3つの違和感 1月1週配信
トレセンの実態を広範囲の地域で比較検証できる機会は実はありません。全国津々浦々の20名の意見を合わせたところ、指導者の方々も地域によって違和感を感じるポイントが違うということがわかってきました。チームからトレセンに出さない、ということ、トレセンスタッフ・選考会に感じる違和感。全国はまだまだ広いので、みなさまのご意見も伺いたいと思っています。
トレセンの小学生と中学生の選考基準はどう違うの? 1月2週配信予定
ぜひご覧になって、「トレセンって何なのか、どう使えばいいか」を一緒に考えてみませんか?
もちろん、合格するためにできる練習は、サッカー選手としてうまくなるために欠かせない練習ばかり。トレセンに興味がなくても、実際の実力アップに役立つピンポイントな指摘もうかがいました。
トレセンとは何の略?
トレセンとは「トレーニングセンター」の略です。ある施設(トレーニングセンター)に選抜されたメンバーが集まって練習をすることから、「トレーニングセンターに召集されたメンバーのこと」と転用されています。
トレーニングセンターで行うトレーニングをするために召集されたメンバーのこと、これを「トレセン」と言います。(地方によってTCと略します)
もちろん、本格的なトレーニングセンターがあるのはナショトレやFFPクラスになりますが、サッカーは草の根レベルから良い選手を育てようということで、
ナショトレ(ナショナルトレセン)
県トレ(県トレセン)
地区トレ(地区トレセン)
この下に支部トレセン、〇〇市トレセン、〇区トレセンなど幅広くトレセン区分が存在しています。
トレセンにはどうやって入るの?
多くの地域では選考会があります。例えば
〇区トレセン
〇市トレセン
〇支部トレセン
〇県トレセン
と区分のある県の場合、
〇区トレセン=例)希望者はだれでも選考会を受けられる。合格者60名。
〇市トレセン=例)〇区トレセンで活動している選手のうち、トレセンスタッフが特に推薦した10名がほかの9つの区トレセンから集まった90名と一緒に選考会を受ける。合格者30名。
〇支部トレセン=例)〇市トレセンで活動している選手30名が、ほかの市トレセンの選手ら150名と一緒に選考会を受ける。合格者25名。
…のように、どんどん絞られていきます。県トレセンクラスになると、またその中から選抜されてFFPやナショトレ、地域トレセンなどに行く選手たちがいます。
大きな目で見ると、日本代表につながるための第一歩ということができるでしょう(日本代表への道はトレセンだけというわけではありません)。
トレセンは何をするところ?
トレセンのメインは「トレーニングセンターで行うトレーニング」です。
トレーニングをするために集められるところなので、そこに行く資格を得たから終わり、なのではありません。
トレセンでは明確に「やること」が決まっています。
参照サイト:JFA(2016年度ナショナルトレセンU-14)
これら一つ一つを伝えるために、例えばポゼッションなら
参照サイト:JFA(2016年度ナショナルトレセンU-14)
上記のようにひとつひとつ細かく習得することが決められ、トレーニングメニューに落とし込まれています。JFAの目指す「日本が世界に通用するサッカー」に選手を近づけていく試み、良い選手をこれらの中から発掘しようとする意気込みが「トレセン」であると考えられています。
トレセンは何のためにやるの?
大きく2つあります。実際の指導者の声と一緒にご紹介します。
目的1・天井効果を取り払うため
天井効果とは、チームの中でうまい子にはそれ以上のプレーができなくなってしまう(天井より高く飛躍できなくなってしまう)という現象のことです。
うまい子だけを集めて、もっと高いレベルのことを教えることによって、その選手が持っている能力をもっと引き出そうというのがトレセンの狙いです。
目的2・広い世界を選手に見せる
支部トレ、県トレ…とどんどん幅を広げていくと、県大会に出場したことがないチームの選手でも他県の選手と試合をすることができたりします。もちろん、全国レベルでさまざまな選手と試合をするチャンスにも恵まれます。
天井効果に似ていますが、もっと広い世界でサッカーを楽しむことによって、チームの枠にとらわれないのびのびした選手を育てるという目的もあるようです。
トレセンについて深掘りしてみた!
そこで、トレセン制度についてジュニアサッカーNEWSでは、全国各地の指導者・トレセンスタッフに「トレセンってほんとのところ、どうなんですか?そして、何なんですか?」と聞いてみました。
すると。
などをはじめとして、様々なご意見を山のようにいただきました。
それらを以下の記事にまとめる予定です。連載は12月まで隔週火曜日に公開します。(タイトルは変更になることがあります)
※コーチ、指導者の方で取材に応じてくださる方がいらっしゃった場合、その旨と連絡先をご記載ください。こちらからご指定の連絡先に連絡させていただくことがあります。
最後に
トレセンはとても役立つ制度。でも、これを本当に日本代表が強くなるための手段にするのには、どうしたらいいか?これ、おかしくないか?こうなったらもっといいのに!という熱いコーチたちのインタビューを聞き、地域の頑張っているコーチたちの思いに打たれています。
ぜひ保護者の皆さんも、指導者の皆さんも、一緒に考えようではありませんか。
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