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フットサル日本代表が世界一になるという夢を描いて!100年続くチームづくりと子どもたちの育成に力を注ぐ デウソン神戸 武田 茂広 代表インタビュー

兵庫県神戸市で活動するデウソン神戸。(フットサルを通じた社会貢献を目指す一般社団法人神戸フットサルスポーツクラブが運営しています。)
Fリーグで活躍するトップチームを筆頭にU-18、今年創設したU-15、U-12のアカデミー選手育成にも力を入れている注目のフットサルチームです。その代表である武田 茂広 代表にフットサルのことや子どもたちの育成、今後の夢などについてお伺いしました。

(写真提供・引用/武田 茂広 代表・デウソン神戸 HPFacebook 電話取材・文/choco)

↓本文は写真の下から始まります↓

デウソン神戸 武田 茂広 代表 インタビュー

武田 茂広 代表 プロフィール

1968年生まれ。岩手県出身。
中学時代からサッカーをはじめ、子どもたちにサッカーを教える教師になりたいという思いを持ち続けながらも自衛官となる。
その後、福岡、青森、広島、東京などを転々としながら、自衛隊幹部としての勤務の傍ら、選手・監督・審判員としてサッカーを続け、16年前に東京大田区で活動するFC HIGH-LOWS東京を立ち上げジュニアサッカーの指導者となった。

サッカーA級U-12ライセンス保有。
2010年フットサル指導者ライセンス制度ができた年にC級ライセンスを取得。現在B級ライセンス。フットサルのメソッドを使いながらサッカーを教え、東京都少年サッカー連盟第8ブロックの役員などを務め、現在は東京都サッカー協会第4種部会員としてバーモントカップ全国大会の競技コーディネーター、東京都U-12フットサルリーグの創設など幅広くフットサルやサッカーの育成に携わっている。

2019年4月に一般社団法人神戸フットサルスポーツクラブ代表理事デウソン神戸代表・GM就任。

フットサルとサッカーは全く同じであって全く非なるものである


― デウソン神戸はU-12から選手の育成をしていらっしゃいますね。

武田代表
デウソン神戸は、U-18・U-15・U-12のアカデミーがありますが、将来に繋がる個々の選手を育成するというのが一番のねらいです。
サッカーに進む子、フットサルに進む子、もう少し広げるとビーチサッカーに進みたいという子、いろいろな可能性を持っている子どもたちです。将来 自分が進む道に必要な技術や判断力はもちろんですが、人としてという部分を大切にしたいと思っています。これはデウソン神戸のアカデミーとしてというより僕自身の信念でもあります。特に4種以下の子どもたちを指導する上で一番大切にしていることは、人間としてという部分です。

「サッカーは人生の学校だ」と言う方がいらっしゃいますが、フットサルは より人柄が出るんです。速くて激しくてきついので、トップチームのプレーなどを見ていても、チームが苦しい時やピンチの時にこそ頑張れるか、人柄が出て面白いですよ。
そういう意味でも、大事な局面で頑張れるかどうかは人間性が磨かれているかという部分に繋がってくると思います。

― フットサルとサッカーの共通点や違いはどのようなところでしょうか?

武田 代表
サッカーとフットサルは、全く同じであって全く非なるものであると僕は考えています。ちょっと解釈が難しいですかね(笑)
どういうことかと言いますと、足でボールを扱うということであったり、技術やルールなどはサッカーもフットサルも共通することが多いです。ピッチのサイズが違うだけで基本的に足を使ってやることには変わりない。きわめて共通することが多いので育成年代は全く同じと捉えていいと思うんです。

しかし、競技として見た時にはフィールドのサイズが明らかに違う、交代のしかたや使うボールも違う。だから本格的なトップの競技として見た時には、全く違う競技だということです。

またヨーロッパや南米では「狭いフィールドでたくさんボールを触って楽しみながら試合すること」がサッカーの入り口です。子どもの頃に狭いフットサルコートのような場所でサッカーを楽しむことで、自然に技術や判断力を身につけ、結果それは広いコートで行われるサッカーで使える高度なプレーに繋がることになるのです。

それに対して日本は「広いコートで大人数でするサッカー」がメジャーで、サッカーとフットサルを切り離して捉えている方が多いと思います。4種で8人制を取り入れるようにはなりましたが、狭いところでたくさんボールにチャレンジすることや、早い判断力を身につけテクニックを高めるということが後回しになっているように感じます。

文化の違いという点から見ても、サッカーとフットサルの共通点や違いの捉え方はさまざまだと思います。

― 子供時代に経験するフットサルがもたらすメリットとは何だと思われますか?

武田 代表
世界で通用する選手に必要不可欠な高い技術・早い判断力・(攻撃守備の切り替えの早さを含める)プレーに対する連続性、これを身につけることができるということが最大のメリットです。

サッカーの重要な局面、例えばゴール前であったり狭いところで相手をどれだけ打開できるかなど、フットサルにはそういうことが集約されているので、個人の戦術的な理解を自然と身につけることができるんです。

フットサルのコートは狭いので、全員でゴールを目指し全員でゴールを決められないように守ります。サッカーのように最初からポジションを決められないから、どのポジションでもできて当たり前という選手が育ち、どんな子でも自分のベースを上げることができます。

近年のバーモントカップ出場選手は、個のレベルが確実に上がっている


写真引用:2019年度 JFAバーモントカップ 第29回全日本U-12フットサル選手権大会

― 近年のバーモントカップのレベルや雰囲気をどう感じられていますか?

武田 代表
全体としてはレベルは上がっていると思います。これはサッカーの育成年代の指導のレベルが上がっていることや、プロリーグができたことも関係していると思います。ただ残念なことは、フットサルを理解すると育成年代でどんなことが大切かということに行きつくんですが、そこが指導者に浸透していないという点です。

一人一人の選手の能力というのは素晴らしく上がっています。だからこそ、選手の能力を使って勝ちに来るというチームが多い。

例えば、ルールの枠の中で勝つためにロングボールを蹴ってこぼれ球を詰めるなど、見ていると本当に子どもたちの将来に繋がるのかなと疑問が残ります。もちろん勝つことを追及して勝つことの喜びを伝えるというポリシーは、それはそれで正しいことだと思います。しかし、将来的にフットサル日本代表が世界で戦う時に世界を制する時が来るかと言えば、今のままのレベルでは そこは想像がつきません。

たとえ、前からプレッシャーがかかってきつい場面でも、どうしたら個人でまたはグループで打開できるか学ぶ場にして欲しいと思っています。それを高いレベルでやりきったチームが勝者になれるという大会にしていきたいなと感じます。

これからのフットサルの未来、夢は日本代表の世界一!

― これからのフットサル、サッカーに求めるものは何でしょうか?

武田 代表
僕自身も昔は勝つことがすべてと思っていたし、勝ちにこだわる指導をしていました。指導スタイルが変わったのはフットサルに出会ってからです。フットサルを通じてヨーロッパや南米の指導は、本当はどうなっているんだろうという疑問を持ったのがきっかけで、いろんな方に話を聞いたりして学ぶことによって、今の指導スタイルや考え方に変わりました。

例えば、ヨーロッパの育成世代の監督たちは勝ち負けにギスギスしないということを知ったのですが、それはなぜなのか?ということもフットサルを学ぶことで整理できました。
ヨーロッパの子どもたちは、狭いフィールドで練習や試合をすることで高い技術や判断力を身につけることができる。このことによって、小さい頃から楽しんでプレーをする中で自然と個のレベルを高められる。だから、監督はガミガミ言わなくても大事な局面で頑張れる選手が育つことに繋がるのだと知りました。

日本サッカー協会のカリキュラムにあるフットサル講習の内容って素晴らしいんです。すべての監督が受けて欲しいなと思います。そして教える側も今以上にレベルアップできればいいなと…

それから、子どもたちはいつ伸びるかなんてわからないんです。
背が小さいとか足が遅いとか、物静かだとか、見た目で決めつけて指導するなとスタッフにも言っています。中には二十歳過ぎてから伸びてくる子だっていますからね。セカンドチャンスやサードチャンスが来る前に親が辞めさせたり、小さいうちや若いうちにJのアカデミーや有名なクラブチームに行ってトレセンに入らなければ次に繋がらないという指導者の誤った認識もある。

そういう部分を変えて、サッカーやフットサルのレベルを上げていけたらと強く願っています。

― 今後の目標や夢を教えてください。

武田 代表
デウソン神戸には100年続くクラブにしたいという理念があり、その中にはフットサルをメジャースポーツにしたいという思いがあります。

フットサルは、攻撃と守備の切り替えが連続して行われるので、日本人の勤勉さや俊敏性が生かせるスポーツだと言えます。またピッチの広さやボールの大きさという点から見た時に、圧倒的な体格の大きさがなくても戦うことができるので日本人に合っていると思います。

そういった意味でも、フットサルワールドカップで日本が勝つための力になりたい。そのためにデウソン神戸の力をつけて、まずはFリーグDivision2優勝、FリーグDivision1昇格、そしてデウソン神戸から日本代表を輩出とステップアップしていきます。

また、フットサルだけでなく、スポーツを楽しみ、スポーツで人生を豊かにできる人材をたくさん育てたい、それが僕の夢です。

デウソン神戸

デウソン神戸 基本データ

運営法人 一般社団法人神戸フットサルスポーツクラブ

【創立】
2019年3月5日

【理念】
兵庫・神戸のフットサル文化を引き継ぎ育て、
100年続く地域・ファン・チーム一体型のクラブになり、
兵庫、神戸の人々の生活を豊かにする

【ミッション】
①日本のフットサル界発展のために最前線で戦う。
②兵庫・神戸のフットサル文化の継承と発展に寄与する。
③スポーツを通じた社会貢献に努め、より良い社会の形成に尽力する。
④市民クラブの成功モデルとなるよう長期的な健全・安定経営に取り組む

【約束】
誠実・献身・挑戦

【デウソン神戸 成績】

<2018-2019> FリーグDivision2
リーグ戦 7位 / 8チーム
<2017-2018> FリーグDivision1
リーグ戦 11位 / 12チーム

アカデミー U-18

■デウソン神戸U-18のねらい
高校生年代の選手がより高いレベルでプレーできる環境を提供する。
将来、日本代表、Fリーガーを目指す、よりレベルの高い選手を育成する。
■デウソン神戸U-18の特長 
トップチームのメソッド、戦術を活用した指導
トップチーム監督、コーチが直接指導
フットサルの特性である狭いピッチ、素早い攻守の切り替えを学ぶことで、「認知→決断→実行」の判断サイクル、高い技術、ハードワークなどを身につけられます。
サテライトとの合同トレ・試合への参加によりハイレベルな環境で活動できます。
本人の努力次第でトップチームへの昇格が可能です。

アカデミー U-15

■デウソン神戸U-15のねらい
中学生年代の子どもたちにフットサルを普及する。
将来、日本代表、Fリーガーを目指す、よりレベルの高い選手を育成する。
■デウソン神戸U-15の特長
トップチームのメソッド、戦術を活用した指導
トップチーム監督、コーチが直接指導
フットサルの特性である狭いピッチ、素早い攻守の切り替えを学ぶことで、「認知→決断→実行」の判断サイクル、高い技術、ハードワークなどを身につけられます。
本人の努力次第で、U-18、サテライト、トップチームへの昇格が可能です。
参考サイト:デウソン神戸 HP

最後に

電話の向こうの武田代表理事は紳士的で穏やかな印象でした。また一つ一つの言葉を丁寧に話してくださり、その内容は  とてもわかりやすく興味深いことばかりでした。
長年たずさわったサッカーを通して、また10年前に出会ったフットサルのメソッドを通して構築された指導方法は、子どもたちを育成して未来に夢を繋げたいという想いがひしひしと伝わってくる素敵な想いが詰まったものだと感じました。
武田代表理事が描かれるフットサル日本代表の世界一も、そう遠くはない未来に実現するのではないかと夢が膨らみます。
今後のデウソン神戸のご活躍とその先の明るい未来を心から応援したいと思います。

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この記事を書いたライター

JUNIORSOCCER NEWSWriterchoco
ライターを始めて4年経ちました。
わたし自身もサッカー少年3兄弟の母です。
週末、息子の試合の追っかけをしては、チームの成長を感じ幸せな気持ちになる日々を送っています。

サッカーを頑張る選手たち、それを支える保護者や指導者の方々。
サッカーに関わるすべての方に寄り添えるような記事が書けるよう、これからも精進していきたいと思います。

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