JFAより、『2020/21年のサッカー競技機規則改正を含むIFAB第134回年次総会における決定について通達及び関連文書』が公開されています。あわせて、競技規則の改正内容についてまとめられた解説映像も公開されています。
子供たちに関係のある変更点は、一体どんなことでしょう?
ポイントを簡単にまとめましたので、お子さんと共に新しい競技規則への理解を深め、一緒にサッカーを楽しむきっかけにしていただければと思います!
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2020/21 サッカー競技規則改正
改正された主な点は、以下についてです。
- ハンドの反則
- ペナルティーキックおよびペナルティーマークからのキック
- ビデオアシスタントレフェリー
今回の主な改正点は上記の3点になりますが、このうちお子さんの試合に関係が深いハンドの反則とペナルティーキック(PK)およびペナルティーマークからのキック、その他にファウル、キーパー、オフサイドについて解説します。
ハンドの反則のポイントは2つ
1.ハンドの反則になるのはこの位置!
ハンドの反則を判断する位置が、明確に定義されました。
以下の図のように、脇の下の最も奥の位置から下が腕の上限となり、腕の部分で意図的にボールを扱った場合はハンドの反則になります。
肩で触れた場合は、ハンドの反則にはなりません。(参照:JFA.jp)
2.ハンドの反則になるタイミングは?
また、攻撃側の選手の手や腕が偶発的にボールに触れてしまった直後に得点の機会に結びついた時がハンドの反則になるとタイミングも明確にされました。
例えば、偶発的に腕に触れてしまった後ですぐにシュートを放つのはハンドの反則になりますが、腕に触れてしまった後、ドリブル等によりある程度ボールが移動してからシュートを放つのは、直後でないため反則にはなりません。
キーパーがPKで反則をしたときは…
今回の改正により、PKでボールが蹴られる前にキーパーが飛び出して得点の機会を阻止した場合、1度目は注意が与えられることになりました。これは、タイミングの予測に失敗した結果、キーパーが飛び出しの反則を犯してしまうことが多いためです。2度目からは警告されます。
また、PKの際にキッカーが枠を外すなどの失敗をしても、キーパーがその失敗に影響を与えていなければ、やり直しはしません。
キッカーとキーパーが同時に反則をした際は、キッカーのみに警告が与えられます。キッカーの不正なフェイントによりキーパーがタイミングを誤って飛び出してしまうことによります。
素早いリスタート>警告
大きなチャンスとなる攻撃を妨害する等の反則に対して、主審がアドバンテージを認めたり素早いフリーキック(FK)が行われた場合は、反則をした選手に対する警告がおこなわれないことになりました。
これは、主審が決定的な得点の機会を阻止する反則に対してアドバンテージを適用した場合、退場の処分が警告になるのと同様の考え方をするためです。
キーパーがボールを2度触ってしまうと
今までは、キーパーが認められていないのにも係わらずペナルティエリア内でボールを2度触ってしまった時は間接FKの判定がくだされていましたが、今回の改正によって、懲戒の罰則が追加されることになりました。
例えば、キーパーが投げたボールが味方に届く前に相手に獲られそうになり、キーパーが慌ててもう一度手や足でボールに触れてしまった場合、攻撃側の大きな得点のチャンスを阻止したとみなされれば、警告や退場になってしまいます。
オフサイドにならない場面
オフサイドポジションにいる攻撃側選手が意図的に守備側選手を妨害していなければ、守備側選手が意図的なハンドをしたボールが偶発的に攻撃側の選手に渡ってもオフサイドにはなりません。
つまり、守備側選手が蹴ったりヘディングでクリアしたボールがオフサイドポジションにいる攻撃側選手に渡っても、オフサイドにならない事と同様の判定になります。通常は、守備側がハンドの反則を犯した時はプレーを一時停止し直接FK(またはPK)により再開しますが、アドバンテージを適用することが可能になりました。
PK方式に警告は持ち越される?
試合後にPK方式により勝敗を決定する場合、試合中に出された警告や注意は持ち越されません。PK方式は試合の一部ではないとういう考え方によります。
同様に、試合中のPKでGKが飛び出しによる注意を受けていても、PK方式には持ち越されません。
ただし、試合中に退場となった選手がPKに参加することはできません。
プレー再開の位置はここ
オフサイドによる再開の場合を除いて、プレーを再開する位置は、選手の足や体の一部がグラウンドに接している場所で決まります。
ペナルティエリア内に上半身が入っていても、足がエリア外に接していればエリア外にいると判定されます。
JFAより、今回の競技規則の改正内容についてまとめられた解説映像が公開されていますのでご覧ください。
全ての変更について確認したい方は、JFAの競技規則のページをご覧ください。
(参照:JFA.jp)
コロナ禍による暫定的改正
新型コロナウイルスの感染拡大は、日本だけでなく世界中で大きな影響を及ぼしました。
しかし、感染が収束するのに伴い、徐々に各国でもサッカーが再開されつつあります。
再開するにあたり、FIFAが要望した「競技会における交代の最大数に関する競技規則」が国際サッカー評議会から承認されましたので、その内容をお知らせします。尚、この暫定改正を適用するかどうかについては、競技会の主催者の判断に委ねらているそうです。
第3条 – 競技者:交代の数(暫定的な改正)
競技会の主催者は、次のいずれか、または、両方を適用することができる
■ 試合中、各チームは
・最大5人の交代要員を用いることができる。
・最大3回の交代を行うことができる。(*)
・加えて、ハーフタイムにも交代を行うことができる。
■ 延長戦が行われるとき、各チームは:
・加えて、さらに1人の交代要員を用いることができる(各チーム、既に最大数の交代要員を用いている、いないにかかわらず)。
・加えて、さらに1回の交代を行うことができる(既に最大の交代回数を用いている、いないかかわらず)。(*)
・加えて、次の交代を行うことができる。
・延長戦が始まる前
・延長戦のハーフタイム
チームが最大の交代要員、交代の回数を用いていないのであれば、試合中に用いなかった交代要員、また、交代回数は延長戦に繰り越すことができる。
(*) 両チーム同時に交代を行ったならば、各チーム1回の交代の回数を用いたとして数えることになる。(参照:JFA.jp)
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『キーパーがボールを2度触ってしまうと』に関しての疑問です。
「例えば、キーパーが投げたボールが味方に届く前に相手に獲られそうになり、キーパーが慌ててもう一度手や足でボールに触れてしまった場合、攻撃側の大きな得点のチャンスを阻止したとみなされれば、警告や退場になってしまいます。」と書かれています。しかしサッカーでGKがボールを投げる場合は、足で2度触りだろうが3度だろうが触ることは100%許可されてますよね?自分でボールを投げてから足でドリブルを始めるのは日常茶飯事です。手で2度触りはマズイですけどね。
参考までに、これがフットサルの場合だと「ゴールスロー」という2度触り禁止の「手で投げる」動作が一応存在します。