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写真追加【山梨県立韮崎高校】10年ぶりの悲願達成へ向け~伝統をつなぐ 今村優貴監督インタビュー

韮崎高校は6月15日(土)に行われた「令和元年度全国高等学校総合体育大会サッカー競技県予選 兼 原杯争奪サッカー大会」の決勝にて勝利し、山梨県代表としてインターハイへの出場権を獲得しました。
※写真は韮崎高校よりご提供いただきました。撮影:韮崎市広報部

「山梨県立韮崎高校」
高校サッカーを知るオールドファンにとってはその校名を知らない人はいないであろう。
選手権で5年連続ベスト4以上(1979年準優勝、1980年3位、1981年準優勝、1982年準優勝、1983年3位)という成績を残しているのは韮崎高校と国見高校の2校だけ。何といっても日本サッカー界が世界に誇るレジェンド「中田英寿」選手を輩出した学校だ。そして、2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村 智さんも、韮崎高校出身。まさに文武両道を体現している学校が韮崎高校と言えよう。

「ワールドカップ出場選手もノーベル賞受賞者も出した学校は、全国見まわしてもうちしかいないですよ!」と今村優貴監督は誇らしげに話してくれた。韮崎高校出身の今村監督は冬の選手権で中田英寿選手と一緒に同じフィールドで右サイドバックとして活躍。そして、現在は母校韮崎高校の指揮をとる。

輝かしい伝統のある韮崎高校も、ここ最近は他校の台頭もあり、2013年のインターハイ出場(ベスト16)はあるものの全国選手権は10年間遠ざかっている。
伝統も今は昔。今の生徒達は韮崎高校が「伝統校」とは知らずに入学する子も多いとの事。しかしながら、韮崎市はサッカーの街。韮崎市民の韮崎高校サッカー部への愛情は並大抵ではない。

「例えば、練習中に外でジョギングすると、近所の人から『あの子、ちゃんと走っていないわよ!』と叱責を受けたりする。逆にジャージで歩いているとパンをくれたり、飲み屋に行くと韮崎高校のサッカー部の監督という事でおごってくれたりもする。」と今村監督は笑いながらエピソードを話してくれた。

南アルプスの山々が大きく映える校庭には「伝統をつなぐ」の大きな看板がある。韮崎高校=伝統校というイメージがどうしても先行しがちだ。
今村監督も当初は「伝統」を押し付けた事もあったが、現在は「伝統校だから優勝できるのではない。過去は過去。伝統にとらわれることなく、伝統をつなぐ、伝えることを意識し、自分達で新しい伝統を作っていこう」と生徒に話している。


伝統という言葉を生徒一人ひとりが自分なりに咀嚼しながら、毎年自分達ならではの伝統を築く。
伝統という言葉に押しつぶされることなく、練習でものびのびとした生徒達の姿が見受けられた。
また今村監督は「サッカーができる高校生ではなく、サッカーもできる高校生。人として成長することが大事。」と話してくれた。

「大人になればやらなくてはいけないことがたくさんあり、サッカーだけ、好きな事だけをやる事だけが人生ではない。」
人生、いつまでも好きなことをできる事は無い。
韮崎高校サッカー部では正三角形の各頂点をそれぞれ3S(勉強Study、サッカーSoccer、学校生活Schoollife)とし、この正三角形を大きく伸ばすことを目標にしている。それが人間の成長につながる。サッカーだけやっていても人としての成長は難しい。勉強も学校生活もしっかりとしてこそ人としての成長につながっていく。この3Sはサッカー部のTシャツのデザインでもある。

「選手権に出場できなかったが、息子が勉強・部活をしっかりと両立できたことが嬉しい。」と保護者に言われたことがとても嬉しかったという今村監督。

「全国選手権へは10年遠ざかっているので、是非とも悲願を達成したい。」
韮崎高校は文武両道校である。そのような校風に憧れサッカーと勉強の両立を目指し、県外からの入学を希望する問い合わせもあり、最近ではサッカー部で借家を借りて遠方からの通学も対応できるように体制も整えてきている。
また、韮崎市の期待も大きく、全面人工芝の市営施設「穂坂グリーンフィールド」、その他にも芝生のグラウンドがあり、公立校としては恵まれた環境にある。そう、韮崎高校の全国選手権への出場は韮崎市民の悲願でもあるのだ。

「韮崎高校サッカー部大好き会」(通称)、仲沢昌郎さんは韮崎高校の卒業生。
韮崎高校の試合や練習には必ずおり、いつもサッカー部を見守る私設応援団長だ。
「やっぱり韮崎高校はサッカーだよ。サッカーが無いと韮崎ではない。全国選手権に是非とも出場してほしい!」


韮崎市民、OBが見守る韮崎高校サッカー部。
先日の関東大会予選では山梨学院、帝京第三、日本航空の私学3強を次々と倒し見事に優勝し、山梨県代表として関東大会に出場する。
悲願達成に向けて韮崎高校の新しい伝統が作られるのか。期待して見守っていきたい。

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