ジュニアサッカーNEWS

過去データサイト 〜2022年度

「山梨学院×青森山田(決勝編)」インタビューで振り返る2020選手権 第100回全国高校サッカー選手権応援企画

2021年度に第100回を迎える全国高校サッカー選手権大会。
ジュニアサッカーNEWSでは、この記念すべき大会を盛り上げるべく「インタビューで振り返る選手権」と題し、2020年度大会での各校選手の皆さんの言葉をご紹介します。
2021年度大会へ向け、一緒に盛り上がって行きましょう!

決勝戦 山梨学院×青森山田

山梨学院山梨)2-2(PK4-2)青森山田青森
歴代の選手権の決勝戦を振り返っても、5本の指に入るであろう、熱戦となった2020年の決勝戦。
その時、監督は、選手たちは、どんな思いで戦ったのでしょうか?

「今年の選手権は彼らの頑張りや仲間に対する思いの深さが詰まったもの。
ここに残った2チームが彼らの思いを代表して、勝ち負けを超えた試合をしてくれたのではないかと思う。」

山梨学院 長谷川 大監督

山梨学院 長谷川 大監督

決定的なシーンを1,2本相手に作られたが、『こんなこともあるのか』というようにゴールを割らず、自分達の方に運が流れてきているということも感じた。

この1年は各校の選手達がコロナ禍の中で我慢を強いられながら頑張ってきた。
今年の選手権は彼らの頑張りや仲間に対する思いの深さが詰まったもの。
ここに残った2チームが彼らの思いを代表して、勝ち負けを超えた試合をしてくれたのではないかと思う。

うちの今年の選手達は昨年に比べると突出したものこそ無いが、可能性を感じさせる個性の持ち主が多かった。
彼らに役割を与えて個性を磨かせたこと、「自分たちは通用する」と気付かせることが出来たことは良かったと思う。

山梨学院は、決勝戦という大舞台で、常勝軍団と呼ばれる青森山田と激闘を繰り広げました。
長谷川監督は、各校の選手達がコロナ禍の中で我慢を強いられながら頑張ってきたことに触れ、「選手権は彼らの頑張りや仲間に対する思いの深さが詰まったもの。ここに残った2チームが彼らの思いを代表して、勝ち負けを超えた試合をしてくれた」と全国の選手に向け、あたたかみのある言葉を発信されました。
選手たちの自立と自律を目指し、選手一人一人の育成を重視されている長谷川監督ならではの、選手を思いやる気持ちが伝わります。

「『泣いても笑ってもこれが最後。楽しんで蹴ってこい。外してもいいぞ、俺がいるからな。』チームにそう声をかけることが出来たのも良かった。」
山梨学院 熊倉 匠選手

山梨学院 熊倉 匠選手(当時3年 主将/GK/大会優秀選手)

本当に嬉しい。その一言。
青森山田の攻撃力の高さに押されていた場面もあったが、全員で気持ちを切らさずに戦った結果だったと思う。

自分はPKには自信があったので、PK戦になったら絶対に止めてやるという強い気持ちでいた。
「泣いても笑ってもこれが最後。楽しんで蹴ってこい。外してもいいぞ、俺がいるからな。」
チームにそう声をかけることが出来たのも良かった。

(青森山田の)安斎とは3年前に同じチーム(FC東京深川)で優勝を逃し、悔しい思いをした間柄だからこそ、こうして選手権の決勝で戦うことが出来て嬉しかったし、安斎だけには負けたくなかった。
こういう形で最後に勝てたことは嬉しかった。

PKまでもつれ込む激戦となった決勝戦。
最後の最後で、ここぞという時に「泣いても笑ってもこれが最後。楽しんで蹴ってこい。外してもいいぞ、俺がいるからな。」とチームに声をかけることができる熊倉選手の懐の深さを感じるとともに、
主将としての責任感が伝わる一言に感銘を受けました。

「みんなで声をかけあって絶対に諦めないという気持ちで戦ったことが同点ゴールに繋がったと思う。」
山梨学院 野田 武瑠選手

山梨学院 野田 武瑠選手(当時3年 /FW/大会優秀選手)

(試合後に)皆の顔を見て「本当に凄いことを成し遂げたんだな」と感じた。

後半に逆転された時は、正直やばいと思った。
山田は強いチームでこの試合でもずっと押され気味だったので。
熊(熊倉主将)中心に「まだ行けるぞ」とみんなで声をかけあって絶対に諦めないという気持ちで戦ったことが同点ゴールに繋がったと思う。

チームに対する熱い思いが伝わってくる野田選手の言葉。
選手一人一人が絶対にあきらめないという気持ちを持ちながら、最後まで必死に戦ったことが優勝へと繋がったと同時に、チームメイトとの信頼関係やチームワークが、山梨学院を優勝へと導いたといっても過言ではないと感じました。
まさに、山梨学院のモットーである「自立と自律、自分ひとりで決断できる人間になれ」が、発揮された決勝戦だったのではないでしょうか。

「勝つことだけが素晴らしいことでもなく、負けることだけが残念なことでもない。
長いサッカー生活の中で考える機会を与えてもらった。」
青森山田 黒田剛監督

青森山田 黒田剛監督

色んな意味で改めて勉強させられたゲーム。
山梨学院の方が一人ひとりがやるべきことをきちんと徹底して、チーム一丸となって勝ち方をイメージして皆で一生懸命取り組んでいた。
我々はサッカーのスキルにおいては相手より一枚上回っていたかもしれないが、それぞれが役割を果たせなかったというところの差が出たと思う。
チームとしてのまとまりがまだ甘かった。

選手達は相当の重圧の中、良く頑張ってくれた。
ここまで勝ち上がり、ファイナリストとして戦ってくれたことを誇りに思うし感謝している。
ハッピーエンドで終われれば良かったが勝負の神様は簡単には微笑んではくれない。
しかし、勝つことだけが素晴らしいことでもなく、負けることだけが残念なことでもない。
長いサッカー生活の中で考える機会を与えてもらった。

来年の100回大会に向け、リベンジをかけて頑張って行きたい。
2回訪れたリベンジの機会を3度目の正直で果たしたい。

常勝軍団と言われるがゆえんのプレッシャーや、決勝戦という重圧感もある中での決勝戦。
「心・技・体」すべてをバランスよく強化・育成し、「何でもできる」チーム作りを目指して、選手の指導に取り組まれている黒田監督の言葉からは、相手チームをリスペクトするとともに、自分たちも全力を尽くして戦うというスポーツマンシップを強く感じます。
「何でもできるサッカー」をぶれることなく、やり続けていきたいという気持ちがひしひしと伝わってくると同時に、「長いサッカー生活の中で考える機会を与えてもらった」という言葉からも、リベンジをかけての強い意気込みを感じます。

「青森山田の3年間で心に残っている言葉は『欠点を無くせ』と『勝利の神様は細部に宿る』。その言葉の通りだと思う。」
青森山田 藤原 優大主将

青森山田 藤原 優大主将(当時3年/DF/大会優秀選手)

ディフェンスラインが下がってしまい、コンパクトな守備が出来なかった。
沢山のチャンスを決め切れなかったのは自分たちの実力不足。
この1年間、こだわって練習してきたつもりだが、それはやはり「つもり」でしかなかった。

センターバックの自分にマンマークがつくことは斬新で、どうすれば良いか頭が回らなかった。
コーチにアドバイスをもらって対策したが、もっと自分の頭で考えられるような、利口な選手を目指したい。

青森山田の3年間で心に残っている言葉は「欠点を無くせ」と「勝利の神様は細部に宿る」。
その言葉の通りだと思う。全てにおいて詰めが甘かった。
今日の反省点を生かし、もっともっと考えて成長していきたい。

山梨学院の秘策に「どうすれば良いか頭が回らなかった」と話す藤原選手。
彼の頭が真っ白になるほどの山梨学院の奇策に翻弄されつつも、青森山田は一時逆転し、粘り強い戦いを見せました。
青森山田の主将として、常に冷静さを欠かすことなく戦い続け、チームを引っ張る勇姿は見ている人の心を打つものでした。
惜しくも準優勝に終わった青森山田でしたが、学んだことや得るものが大きい決勝戦だったと思います。
今後の成長がますます楽しみです。

歴史に残る名勝負だった決勝戦

全国の頂点を決める決勝戦。
山梨学院が先取点を取るも、青森山田に逆転され、その後は同点の末のPK戦となり、歴史に残る白熱した試合となりました。
それぞれの思いを胸に山梨学院も青森山田も、持てる力をぶつけ合ったことでしょう。
「勝つことだけが素晴らしいことでもなく、負けることだけが残念なことでもない。」という青森山田の黒田監督の言葉通り、最終的に勝つのは、たった1チームのみという厳しい勝負の世界。
青森山田の選手たちにとっては悔しさも残りますが、負けて学ぶことも多く、今後の成長に繋がるいい経験になったのではないでしょうか。

高校年代最高峰、集大成ともいえる選手権しかも決勝戦の大舞台で、監督や選手たちはどんな思いで戦ったのか、その時何を感じていたのか、2020年大会の名勝負を思い出しながら、当時のインタービューを振り返ってみました。

関連記事

「敗戦での成長編」インタビューで振り返る2020選手権 第100回全国高校サッカー選手権応援企画

「選手達の等身大の言葉編」インタビューで振り返る2020選手権 第100回全国高校サッカー選手権応援企画

第99回全国高校サッカー選手権の優秀選手情報【あの大会の優秀選手は今!】高校サッカー選手権特集

【2021年度 第100回高校サッカー選手権】優勝は青森山田高校!全代表チーム掲載【47都道府県まとめ】

写真掲載!【黒田監督/松木選手ほか決勝コメント掲載】《大会優秀選手掲載》2021年度 第100回全国高校サッカー選手権大会 全国大会 優勝は青森山田!3冠達成!

優勝はPKを制した山梨学院!優秀選手39名発表!2020年度 第99回全国高校サッカー選手権大会(高校選手権) 全国大会

山梨学院高校サッカー部ってどんなチーム?準決勝で帝京長岡高校と激戦!2020年度 第99回全国高校サッカー選手権

最後に

2021年度 全国高校サッカー選手権の各県予選が順次スタートしています。
それぞれの高校が全国大会を目指し、しのぎを削る姿はどの地域においても大きな話題を呼んでいます。
高校生選手の皆さんのご活躍をお祈りし、楽しみに応援しています!

1056 views

この記事を書いたライター

JUNIORSOCCER NEWSWriterchoco
ライターを始めて4年経ちました。
わたし自身もサッカー少年3兄弟の母です。
週末、息子の試合の追っかけをしては、チームの成長を感じ幸せな気持ちになる日々を送っています。

サッカーを頑張る選手たち、それを支える保護者や指導者の方々。
サッカーに関わるすべての方に寄り添えるような記事が書けるよう、これからも精進していきたいと思います。
Share / Subscribe
Facebook Likes
Tweets
Send to LINE