日本サッカー協会(JFA)が、経営的に苦しい状況に直面する地域の街クラブやスクールを支援するための事業をスタートさせました。
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日本サッカー協会 地域の街クラブなどグラスルーツの経済支援事業を開始
猛威を振るい続ける新型コロナウイルスの影響を受けて資金難に陥り、経営的に苦しい状況に直面している地域の街クラブやスクールを支援する事業を、日本サッカー協会(JFA)がスタートさせた。
JFAは4月下旬の段階で、8項目で構成される新型コロナウイルス対策「JFAサッカーファミリー支援事業(仮称)」を立ち上げている。今月14日の理事会における承認をへて正式に運用開始となるなかで、喫緊と判断した「相談窓口設置」と「財政支援」を7日から先行開始した。国や地方自治体を介さずに、JFAが直接かつスピーディーに財政を支援する対象は、第1次支援となる今回は街クラブやスクールなどに限定された。
支援申請の条件について
ブリーフィングで示された設計骨子案では、JFAへ融資を申請できる条件として
【1】2019年のチーム活動の実績がある
【2】一定のクラブ規模がある
【3】4月もしくは5月の月次収入が前年度同月比で半分以上減少している
【4】指導者の雇用などクラブ環境の維持に最大限努める
――と記されている。特に【2】のクラブ規模に関しては
【A】専任の有給コーチが少なくとも1人以上いる
【B】アルバイトのコーチが5人以上いる
【C】自己占有しているホームグラウンドがある
【D】毎月の固定的なキャッシュアウトが100万円を超える
――のいずれかに該当すること、と定められている。その上で当面の2カ月間を想定したサッカー環境の維持を目的に、コーチの給料やクラブハウスの家賃および水道光熱費、グラウンドの土地代などの資金として、JFAが設置した審査委員会が1週間ごとに下していく判断のもとで30万円から最大で500万円が無利息、無担保で融資される。
返済期限は最長10年で、初回返済は2023年まで延長できることも可能とした。
JFA財政支援プログラム申し込み方法について
支援プログラムについての詳細はJFA.jpに掲載されています。
条件に当てはまらない場合や、その他の相談などが送信できる「お困りごとフォーム」や電話番号などが記載されています。
街クラブやスクールを対象とした、財政支援を受けるための申請期間は6月末までということです。
詳しくはこちら:JFA.jp
JFAでは新型コロナウイルス感染症の影響で財政的な課題を抱えているクラブ(チーム)を対象とした、融資を計画しています。
クラブ(チーム)の財政状況などでお困りの場合などの緊急支援です。<第1次サッカーファミリー財政支援事業(融資型)>
融資対象:クラブチーム
融資金額:30万円~500万円 ※条件により異なります
申請受付:5月~6月末まで
申請条件:活動実績やクラブ規模等の条件があります。詳しい内容は下記をご参照ください。
※なお、本支援事業の内容は5/14のJFA理事会をもって正式決定となります。参照元:JFA.jp
日本サッカー界の「基盤」がそこにある
「グラスルーツ」最優先の理由とは
「活動ができない時間が続くなかで月謝を徴収できない、給料を支払えないとなれば、指導者が別の仕事を探さなければいけないケースが出てくる。私たちにとって非常に大切な、日本サッカー界の基盤を支えている方々がサッカーから離れていくのは大変な損失です。この先にまたサッカーができる、となったときに『あのスクールはなくなった』とか『あのクラブの指導者が変わってしまった』となれば、選手たちだけでなく、サッカー界全体にとっても大きなダメージになると思ったからです」
Jリーグが産声をあげて28年目を迎えた。各クラブが下部組織をもつことを義務づけられ、地域に根差した活動を続けてきた。それでも日本サッカー界をピラミッドの形に例えれば、全体を支える一番下の部分、いわゆるグラスルーツは街クラブやスクールによって支えられている。
直近のワールドカップとなる、2018年のロシア大会に臨んだ日本代表に名前を連ねた23人のサッカー人生をさかのぼっていくと、全員が街クラブでサッカーをはじめている。新型コロナウイルス禍で経営に行き詰まった街クラブやスクールが潰れ、子どもたちがサッカーに出会うきっかけが失われることは、長い目で見れば日本サッカー界全体の未来に大きな影を落とすことになる。
子どもたちがサッカーをはじめるきっかけだけではない。プロになれるのはほんのひと握りという厳しい世界で、それでも大好きなサッカーを続けたい場合の受け皿となる役割も街クラブは担っている。支援事業の目的として、収束後を見すえて「これまでどおり、だれもが、いつでも、どこでもサッカーを楽しむことができる環境を維持すること」と謳われている理由がここにある。
日本サッカー協会田嶋幸三会長(62)が語る、
「これまでどおり、だれもが、いつでも、どこでもサッカーを楽しむことができる環境を維持すること」
このことが最も重要という思いから、グラスルーツの支援を最優先にという方針が決定したそうです。
プロサッカー選手誕生へのきっかけとなることだけにとどまらず、サッカーを愛し、生涯スポーツとして続けたいという思いをも支えているグラスルーツ。
それは間違いなく日本サッカー界の「基盤」と言えるのではないでしょうか。
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最後に
もし、自分のチームが無くなってしまったら…
今通っている子供たちだけではなく、かつてそこでサッカーの楽しさを知り、仲間達とボールと夢を追いかけた選手たちにとっても、それはとても辛く、悲しいことなのではないでしょうか。
支援を受けるということがチーム存続の選択肢としてあるということは、とても重要なことだと感じました。
経済においても今、重大な局面を迎えています。一日も早く事態が収束することを祈らない日はありません。
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