2018年度高校総合体育大会大阪府大会 優勝。1926年の創部以来全国大会への出場は35回、全国制覇2回。日本一を目指し、チーム一丸となって進む関西の強豪、関西大学北陽高校サッカー部には人間力向上のためにサッカーと同じくらい大切にしている取り組みがあります。
また、2013年9月に建設された4階建ての総合体育館の「ある施設」でのトレーニングが選手達にあらゆる面で効果をもたらしているといいます。
「全員サッカー」をテーマに進化を続ける関西大学北陽高校の先進的な取り組みについて、サッカー部、矢田竜之監督にお話を伺いました。
関西大学北陽高校サッカー部を率いる矢田竜之監督(写真右)
記事目次
◆活発な地域交流 企画、運営は部員主体で
◆なぜ行うのか いつ始めたのか
◆個々の成長から愛されるチームへ
◆サッカー部がプールに!? 「水の力」がもたらす効果とは
活発な地域交流 企画、運営は部員主体で
—関大北陽高校さんは、地域の方々との交流が活発だとお聞きしました。3月3日にはちびっ子サッカー教室が開かれたそうですね。これは高校生が企画・運営・改善まで行うそうですが、サッカー部の中に何か係のようなものを置かれているのでしょうか?
矢田監督
サッカー部にはイベント・企画係という係があります。
イベント企画係の取り組みは多岐にわたっており、例えばちびっ子サッカー教室であれば、自分たちでトレーニングテーマを考え、トレーニングメニューを作り上げていきます。
トレーニングメニューができたら、対象チームのスタッフの方々と打ち合わせを行い、打ち合わせした内容を選手たちに落とし込みトレーニングが始まる形となります。トレーニング後には、反省会を選手たちで行い、次回に向けて準備(改善)をしていくという取り組みをしています。
—このような地域との交流活動、貢献活動は年に何回くらい行われているのですか?また、どんな内容の活動ですか?
矢田監督
ちびっ子サッカー教室の他にも、近隣の高齢者介護施設を訪れたり、淀川のゴミ拾いをしたりしています。活動に関しては不定期で、公式戦などの合間を見て取り組みを行っています。
なぜ行うのか いつ始めたのか
—こういった地域交流活動や地域貢献活動を積極的に取り入れているのは、なぜでしょうか?どういった目的をもって取り組んでおられるのでしょうか。
矢田監督
関大北陽高校サッカー部は、チームコンセプト「全員サッカー」のもと、たくさんの人に応援され、たくさんの人を応援する!そんなチームでありたいと考えています。
そのため、地域の方々と触れ合うことにより、人間力を養い、社会に出て活躍できる人間になってほしいと考えているんです。
—こういった活動はいつ頃からされていますか?きっかけなどありましたか?
矢田監督
関西大学のサッカー部が行っていた地域貢献活動を参考にしました。
大学生には自由な時間がたくさんあり、教養も身に付いているため、そのような取り組みをすることは可能です。
そのような取り組みに高校生の段階でチャレンジすることにより、大きな刺激を受け、成長に繋がるのではないかと思い取り組みを始めました。
個々の成長から愛されるチームへ
介護施設を訪問する北陽高校サッカー部
画像引用:関西大学北陽高校サッカー部応援サイト
—これらの活動をすることで、1年生の入学時から3年生になるころには、何か変化などあるのでしょうか?
矢田監督
人前で話をすることができるようになったり、相手の立場を考えて行動することができるようになったりしますね。
また、先輩たちがサッカー・勉強だけではなく、地域貢献活動にも取り組んでいる姿を見て、人としての大きさを感じるようになります。
—地域の方々からも反響などがあると思うのですが、何か声を掛けられたりすることはありますか?
矢田監督
高齢者介護施設のスタッフの方々から挨拶をしてもらえるようになったり、J-GREEN堺でちびっ子が関大北陽を応援してくれたりしています。
また、サッカー部の公式ホームページでの取り組みを見て、「見ましたよ。」と声をかけていただくようになりました。
サッカー部がプールに!? 「水の力」がもたらす効果とは
—話は変わりまして・・・プールでのトレーニングがあるとお伺いしました。これはいつから取り入れているのですか?
矢田監督
2013年9月に4階建ての総合体育館ができました。体育館には、1階に温水プール・トレーニングルーム、2階にクラブハウス、観覧席、3階に総合アリーナ、4階にランニング走路があります。
温水プールは、夏場のクールダウンや、怪我人のリハビリメニュー、強化時期の足腰強化トレーニングなどで利用しています。
—プールでのトレーニングはどのような効果があるでしょうか?
矢田監督
プールでのトレーニングを行うことにより、全身の血行促進や筋肉の緊張緩和がおこなわれ疲労回復に効果があります。
また、水の浮力によって陸上よりも負荷が少ないため長期離脱(前十字靭帯損傷・断裂や椎間板ヘルニアなど)した選手の早期からリハビリやトレーニングをすることができ、競技復帰を早めています。
合宿中のトレーニングで利用するのは、水の抵抗によって強度や負荷を高めることにより足腰の強化につながるといった効果があります。
サッカー部を支える選手&マネージャーさん紹介
イベント係 轟 陽大選手、奥野 源之祐選手
関大北陽イベント係はサッカー部内である初蹴りや蹴り納めや3年生送別会などの部活内でのイベントの内容や当日の司会などを務めたりします。部活外では学校近隣の方々との交流も積極的に行なっており最近では学校近くにある老人ホームへ訪問し、事前打ち合わせ、企画し、レクレーションなどを行いました他にも色々な行事を行っています。このような活動で魅力ある応援されるチームを目指しています。
マネージャー 河﨑 愛さん、二宮 芽衣さん
私たちマネージャーはこのチームが日本一になるためにマネジメントをしています。
主にスクイーズの用意、ボール拾い、タイム読み、備品管理、試合ではスコアなどたくさんの仕事を任せてもらっています。
試合に勝った時の笑顔を見ると私も嬉しくなり、また頑張ろうと思えます。
勉強との両立は難しく大変なこともありますが、選手達がよりプレーしやすい環境を作ることを心がけています。
最後に
「日本一を目指す高校サッカー部」
それだけ聞くと技術面、フィジカル面での厳しいトレーニングを日々積んでいくということだけを連想しがちですが、関西大学北陽高校サッカー部は人間形成というアプローチからも部員一人ひとりのことを考えた取り組みがなされています。
地域の方々を思い、交流イベントを企画、運営することで自身も魅力あふれる人へと成長出来る。活動を通して生まれた暖かな気持ちが厳しいサッカーを戦う上での活力になっているのではないでしょうか。
また、同校が所有する温水プールの活用が夏場の練習のクールダウンや、怪我などで長期離脱した選手の早期復帰に一役買っているというお話はまさに目から鱗。
同校が掲げるスローガン、「全員サッカー」の神髄が至る所に見られました。
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関西ルーキーリーグU-16公式サイト
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関西大学北陽高校サッカー部応援サイト
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