株式会社NTTSportictより、アマチュアスポーツを強力にサポートする新サービス「STADIUM TUBE Lite」の提供が2021年7月16日に開始されました。
新サービス「STADIUM TUBE Lite」では、どんなことが可能になるのか。
株式会社NTTSportict(NTTスポルティクト)の代表取締役 中村正敏氏にお話を伺いました。
映像は、ハンディカメラで撮影する時代から、AIカメラにおまかせの時代へと移り変わっています。
電話取材/文 冬馬 瑠莉
画像提供 株式会社 NTTSportict
お話を聞いた人
代表取締役社長 中村正敏氏
株式会社NTTSportict(NTTスポルティクト)
代表取締役社長 中村正敏氏
NTT入社後、ネットワークサービスの代理店網構築、NTT西日本と大手企業とのアライアンスを多数経験し、2009年映像サービス事業の立ち上げに携わる。
2014年よりオープンイノベーションを推進し、2020年4月に朝日放送GHDとの合弁会社「NTTSportict」を設立し現在に至る。
「チームの記録」「保護者の記憶」その両方を残したい
ーーNTSportict(NTTスポルティクト)は、設立当初からAIカメラの映像でアマチュアスポーツを応援していますね。今回、新たな映像ソリューションサービスが開始されると伺っています。
株式会社NTTSportict 代表取締役中村社長(以下、中村)
私たちは「STADIUM TUBE Lite」というAIスポーツ映像ソリューションの推進を新たに始めました。
子供たちの活躍を「チームの記録」としても「保護者の記憶」としても残すことができる。
このサービスには、チームと保護者、双方にとってのバリューがあると考えています。
保護者の皆さんの中には、お子さんの試合を撮影、編集され、記録している方も沢山いらっしゃると思います。
その中には「子ども達の試合をカメラ越しではなく、この目でちゃんと見て応援したい」と思っていらっしゃる方も少なくないのではないでしょうか。
スポーツ、特に球技を上手く撮影するのは難しかったり、撮影した映像を編集する時間が無い、または映像の保存や管理がしきれない、などという方もいらっしゃるかもしれません。
私にも、二人の息子がいます。今はもう成人していますが、少年時代はサッカーをやっていました。
当時、「カメラの四角い画面越しではなく、自分のこの目で直接、試合を見たい」と感じたことが何度もありましたし、息子たちの活躍する姿を「全て綺麗に映像に残せた」という訳ではありませんでした。
チームが試合の撮影をAIカメラで行い、保護者がその映像を後から見られるシステムが整えば、保護者は目の前で行われている試合を自分の目で見て応援することができる。
クオリティの高い映像の撮影を無人で行えて、編集も自動でできるので、指導者や部員の撮影の手間が減り、指導や練習に、より集中できるようになります。本来の活動に集中できるようになれば、チームの実績を上げることにも繋げられるでしょう。
映像を公開し、合間にCMを流すことで、スポンサー獲得やチームの収益アップにも繋げていくことも可能になります。
新サービス「STADIUM TUBE Lite」は、チームと保護者、双方のニーズによりフィットする形で、地域創生を目指していきます。
※AIカメラとは?
AIカメラとは、人工知能が搭載されたカメラを指します。
株式会社NTTSportictで提供されているAIカメラ「Pixellot」は、無人での撮影、撮影した映像の自動編集などが可能です。このAIカメラを使った、スポーツの自動撮影・配信ソリューションの総称が「STADIUM TUBE」です。
「STADIUM TUBE」には、LIVE配信可能な競技施設、放送局向けシリーズ「STADIUM TUBE Pro」と、ポータブルな個人、チーム向けシリーズ「STADIUM TUBE Lite」の2種類があります。
持ち運びも設置も簡単!
どの会場での撮影も可能な「STADIUM TUBE Lite」
ーーAIスポーツ映像ソリューション「STADIUM TUBE Lite」がどんなサービスなのか、具体的に教えてください。
中村
固定のAIカメラが無い会場でも、自動撮影ができる仕組みを整えたい。
そのような思いから、提供を開始することになったのが、持ち運びができるAIカメラ「Pixellot」でのサービス「STADIUM TUBE Lite」です。
2020年よりローカルスポーツの映像化・事業化⽀援を目指し、弊社では同ソリューションで常設型の「STADIUM TUBE Pro」を体育館、球技場、陸上競技場等へ設置してきました。
しかし、アマチュアスポーツの場合、いつでも専用の会場で試合ができるわけではありません。
ほとんどのチームが、場所を借りて練習を実施しているのが現状です。
たまたまAIカメラが設置してある会場で試合が行われたらいいのですが、現状は、そうでない場合の方がまだまだ多いでしょう。
アマチュアスポーツの場合、どうしても導入コストの課題も出てきます。
もっと導入しやすい価格帯でのサービスを提供できないか。
ポータブルで費用も抑えられたサービスがあれば、もっとたくさんのアマチュアスポーツチームがAIカメラを導入しやすくなるのではないか。
そのような思いから、このサービスの提供を開始しました。
「STADIUM TUBE Lite」は、特別な知識やプログラム技術が無いという方でも簡単にスポーツの試合を映像化することができます。
録画配信による事業化や、映像を⽤いたチーム強化、練習管理に役立てることも可能です。
今回ご提供するカメラは、ノートパソコン程度の大きさです。
ノートパソコンに比べると少し厚みはありますが、簡単に持ち運ぶことができます。
中学生くらいであれば、部員でも持ち運びができると思います。
また、専用のスタンド(三脚)を付けた場合、3mほどの高さから撮影することも可能です。
センターライン上にカメラを置き、スマホアプリからスタートボタンを押すだけの簡単操作。
このカメラでライブ配信はできませんが、撮影した映像はクラウドで処理をするのに2~3時間ほど、およそ4時間後くらいには配信ページにアップロードされ、見ることができるようになります。
保護者の皆さんは、お子さんの大切な試合映像など、残しておきたい映像を購入し、DVDで保存することもできるんですよ。
不特定多数の方に見てもらうのではなく、チームの保護者だけに共有したい映像もありますよね。
保護者や関係者の方に閲覧制限して公開することも可能ですので、安心してご活用いただけるのではないかと考えています。
地域創生はポータブルAIカメラでできる時代へ
ーーー撮影した映像は、チームのどんなことに役立てられるのでしょうか?
中村
このカメラは、電源もインターネット環境も必要無く、撮影をすることができるので、普段の練習を3mの高さから撮影し、コーチングに利用する、という使い方もできます。
俯瞰映像は、ポジショニングの指導などに適していると思います。
また、「STADIUM TUBE Pro」と同様、収益化に繋がるサービスもご用意しています。
配信映像にスポンサーチームの広告を入れたり、映像を販売することで、安定した収益確保が目指せます。
「STADIUM TUBE」の高品質かつ安定的なサービス提供は、スペインのサッカークラブチームFCバルセロナのアカデミークラブでも起用されているほどです。
ーー谷本部長にお話を伺った際に、Proシリーズは「地域を盛り上げる」コンセプトがあるとお聞きしましたが、Liteシリーズは「チームで盛り上がる」イメージということしょうか?
中村
「地域を盛り上げる」という私たちの目標は、Liteシリーズでも同じです。
WebやSNSでの配信も簡単なので、映像を公開することで、他のチームとの連携や地域のコミュニティを構築するお手伝いができます。
チーム情報を拡散し、宣伝活動にもご利用いただけると思います。
私たちは「100万人が見る試合を一試合放送するのではなく、100人が見る試合を一万試合配信する」をミッションとしています。地元のチームや出身校を応援したいと思っている人たちが、その試合をいつでも自分の好きな時間に見られるようになるということに価値があると考えています。
よりチームの方に利用していただきやすいモデルである「STADIUM TUBE Lite」で、アマチュアスポーツをどんどん盛り上げ、地域創生のお手伝いができればと思っています。
参照:AIスポーツ映像ソリューション「Stadium Tube Lite」
「STADIUM TUBE Lite」サービス提供開始のお知らせ
AIスポーツ映像ソリューション「STADIUM TUBE Lite」
提供開始:2021年7月16日より
利用金額:月額26,980円(税込29,678円)
※機材、ソフトウェア費込み
※初期費用不要
※3年契約
STADIUM TUBE Lite 紹介サイト https://stadiumtube.com/lite
【対応種目】
- サッカー
- バスケットボール
- バレーボール
- ビーチバレー
- 野球
- アイスホッケー
- フットサル
他種目、順次リリース予定
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最後に
アマチュアスポーツを取り巻く環境も大きな変化を必要としている時代。
「STADIUM TUBE」は、アマチュアスポーツを発展させるために魅力的なソリューションだと感じました。
まだまだ先のことだと感じていたAIカメラでしたが、当たり前になる時代はそう遠くないのかもしれません。