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パパママだって最新スペインサッカー理論を攻略したい!現役指導者も注目する『サッカー新しい攻撃の教科書』の読み方!

日ごろ、書店で「サッカー指導本」「サッカー理論本」を多数見かけます。
興味はあるものの「いったいどの本を読んだらいいのか・・・」悩みますね。

今回はジュニアサッカーNEWSにも寄稿くださっている坪井健太郎氏の著作「サッカー新しい攻撃の教科書」をご紹介します。
こちらは、戦術大国として知られるスペインにおいて、実際に指導者として活動されている坪井氏が、攻撃の考え方や指導のポイントをまとめた本です。

「サッカー新しい攻撃の教科書」を読んでみたいと応募いただいた指導者の方々に、ジュニアサッカーNEWSが行ったアンケートと、実際に本書を読んで感想をお聞かせくださった指導者の皆さんの声をもとに、本書の特徴や注目ポイントをご紹介していきます。

スペインの最新サッカー理論に興味がある指導者の方はもとより、子どもと一緒にサッカーを学びたいと思っている熱心な保護者の皆さんにもご参考にしていただけたらと思います。

著者:坪井健太郎
構成:小澤一郎
株式会社カンゼン

記事目次

◆著者紹介
◆アンケートご協力者様データ
◆「サッカー新しい攻撃の教科書」の注目ポイント
◆最後に

著者紹介

著者:坪井健太郎
静岡県浜松市出身。1982年6月12日生まれ。
静岡大学附属小・中、静岡学園高校を卒業後、安芸FCや清水エスパルス普及部で7年間指導者として活動した後、「一度きりの人生だから、海外でサッカーを学びたい」と思い、2008年4月スペイン、バルセロナに渡る。ECエウロパやUEコルネジャの育成年代を指導し、現在はCEエウロパユースA(U19)第二監督を務める。

著書に「誰にでもわかるサッカー説明書(テクニック編・戦術編)」、「サッカーの新しい教科書」「サッカー 新しい守備の教科書」「サッカー 新しい攻撃の教科書」がある。

参照:サッカー留学応援団

アンケートご協力者様データ

ジュニアサッカーNEWSのアンケートにご回答いただいた指導者の皆様の総数は86名。
このようなサッカー理論、指導法本に興味を抱いているのはどのような指導者の方たちでしょうか?
アンケートに応募してくださった方のデータをご紹介します。

ジュニア年代の指導をされている方が8割を占めました。
また、年齢層では40代の方が55.8%、続いて30代の方が27.9%という結果になりました。

「サッカー新しい攻撃の教科書」に期待していることは?

<回答抜粋>

  • 子供たちに理論的に説明できたり、もっと興味をひくような指導ができるようになり、心に響く指導ができるようになるのではないか。
  • 世界の指導法、最新のサッカーを具体的に選手へ伝えられると思う。
  • 知識が深まり、教え方の幅が広がることへの期待。指導アイディアにも深見が出るのではないか。
  • サッカーの楽しさを今まで以上に伝えることができると思う。
  • パスサッカーやポゼッションサッカーの理解が深まり、攻撃に対する知識、考え方がかわるのではと期待しています。・スペインのサッカー理論を知ることにより、指導する際の表現力が今よりも上がるのではないかと期待しています。
  • 感覚ではなく、理論・知識で明確な指針をもって指導できるようになるのではないか。
  • 蹴るだけのサッカーから、目的があって蹴るサッカーに変われるような指導ができるようになりたい。
  • 組織的な関わり、動き、タイミングなどを整理して、具体的に説明できるようになればと思う。
攻撃の原理原則を知りたい方に注目されています。

「論理的にサッカーの攻撃の本質を知りたい」という目的を持っておられる方に注目されているようです。
中でも指導する上での指針となるような「原理原則」を学びたいという気持ちをもっている指導者の方が多いようですね。
また、スペインのサッカーを学び、指導に幅が出たり引き出しが増やしたいという意見も多数見られました。

「サッカー新しい攻撃の教科書」の注目ポイント!

今回ご紹介する「サッカー新しい攻撃の教科書」はスペインで指導者として活動されている坪井氏が現地で実際に指導に携わって得た、スペインサッカーの「攻撃」について、理論と実践の両面から詳細にアプローチした内容となっています。
応募いただいた方の中から、4名の方に実際にこちらの本を読んでいただき、感想をお聞きしましたので、ご紹介します。

Q:「サッカー新しい攻撃の教科書」を読んで、一番興味を惹かれたのはどのchapterでしたか?

A:回答
chapter1の「サッカーにおける攻撃とは」・・・2名
chapter4の「攻撃のトレーニングメソッド」・・・2名

興味を惹かれたのはchapter1の「サッカーにおける攻撃とは」とchapter4の「攻撃のトレーニングメソッド」と答えた方が2人ずつという回答になりました。
詳しい内容をみていきましょう。

指導者「ここが惹かれた!」① chapter1の内容は?

まず、chapter1ではサッカーにおける展開の変化を「4つのモーメント」として説明されています。

4つのモーメントとは・・・
A:攻撃(ボールを保持している時)
B:攻撃から守備への切り替え(ボールを失った時)
C:守備(ボールを保持していない時)
D:守備から攻撃への切り替え
(「攻撃の新しい教科書 P13より抜粋)

サッカーではこれらの4つのモーメントが周期的に展開されるスポーツであり、これらの局面で「やるべきこと」を明確にしていくことで選手は良いパフォーマンスを発揮することができます。
本書の中では、この中のAとBのモーメント(攻撃時、攻撃から守備への切り替え時)に的を絞って、話が進みます。

こちらのchapter1が印象に残ったという指導者の方は、「攻撃に関する知識が丁寧に説明されていた」と評価しています。

セオリーがきちんと整理され、わかりやすく解説しているので、わかっていたつもりでも再確認だけでなく、読んでいるだけでゲームの状況がわいてきました。
カウンターorポゼッションの理解も深まりました。
(指導者様感想)

たしかに、私(サッカー指導を受けたことはありません)もこれらのモーメントを知った上で試合を見ると、「今4つのモーメントのどれに当てはまるのか」が明確に理解できるようになりました。
これが理解できないと、「今、何をすべきなのか」がわからずに「感覚」だけでプレーしてしまうかもしれないなと思いました。

指導者「ここが惹かれた!」② chapter4の内容は?

「印象に残った」という回答に上がったchapter4では「チームに落とし込むためのトレーニングメソッド」について書かれています。

さぁ、いよいよスペイン流の秘密の練習のベールが剥がされるのか?と思ったりもするのですが、実はそんな「魔法のメニュー」は存在しないのだそうです。
では、何が日本のトレーニングと違うのかというと・・・

では、何がスペインと日本の違いかというと、「何のためにそのメニューが組まれていて、そのキーファクター(※)は何なのか?」という背景にあるものの深さと明確さです。
(「新しい攻撃の教科書」P27より抜粋)

と述べられています。キーファクターとは「起こりうる問題に対する解決策」のことです。

そのトレーニングが「どのようなシチュエーションで、何の目的のトレーニングなのか?」がスペインでは明確にされた練習内容になっているのだそうです。
坪井氏は多くの指導者から「スペインの選手たちは日本人よりもテクニックは無いように見えますが、なぜ試合になると上手にプレーできているのですか」と尋ねられることが多いとのこと。
それに対する答えは「スペイン人は実践の中でトレーニングをすることが多い」ということ。

そして、同じような練習を行うにしても「どのような状況下で」という具体的な設定を取り入れ、試合に近い状況を作り出した中で選手をプレーさせるためのトレーニングメニュー(設定方法)が詳しく紹介されていました。
練習では上手なのに、試合になると力が発揮できない・・・ということで悩まれている方は、こうしたことに着目してみるとよいのかもしれません。
「試合で使えるテクニック」を効果的に習得する方法の一つとして紹介されています。

選手に落とし込みやすい内容でした。
最後にトレーニングメニューもあり、実践したところ選手の意識が高まり、共通認識を持ちプレーできています。
何より落ち着いて試合ができるようになりました。
(指導者様感想)

選手たちが共通認識を持ち、落ち着いて試合ができるようになったというのは、素晴らしい成果ですね!

chapter4では、「積極的にボールから遠いところをみよう」という章の中で、「いいチームほど、遠い選手が良いポジションを取り続けている」というところにもスポットが当てられています。

ここで述べられている「ボールから遠いところを見ることで正しいポジショニングの確認する」ことの重要性について述べられている部分が印象に残ったという指導者の方や、実際に取り入れてみたいという指導者の方がいらっしゃいました。
注意していただきたいのは、遠いところを見るように心がけると良いとされているのは「指導者」です。

その方法としては、誰かにお願いして2人で「近く」と「遠く」を分けて見る役割分担をしてみるという方法と、スマートフォンやタブレット、ビデオなどを利用して動画を撮影し、後からボールに遠い選手のパフォーマンスをチェックするという方法です。

実際に坪井氏が自チームのトレーニング分析用に使ったビデオのキャプチャーが掲載されていましたが、だいぶ高い位置からの俯瞰で写されていました。

我が子の試合を観戦に行くと、どうしてもボールの周辺ばかり見てしまうということはありませんか?
指導者のレベルで遠くの選手のパフォーマンスを見て分析するということまでは無理だとしても、たまには遠く離れた場所から俯瞰で試合を見てみたり、少し高さのあるところから試合のビデオを撮ってみたりすると、新たな発見がありそうです。

我が子のビデオ撮影のヒントにも

最後に

いかがでしょうか?
私はサッカーの指導を受けたことのない素人ですが、図解入りの説明で、スムーズに理解できました。
この本で、サッカーの攻撃時における原理原則が理解できたことで、子供たちの試合中に監督やコーチが言っている言葉の意味がより深く理解できるようになったと思います。
子供たちの学ぶサッカーも日々進化しています。
現在の指導法の流れを知っておきたいという保護者の方におすすめできる本だなと感じました。
興味を持たれた方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

この記事を書いたライター

統括編集長/オウンドメディア事業部江原 まり
長野県出身。
ライター歴11年。
子育て系メディアにて、主に教育、引越し、子育て全般についてのコラムを100本超執筆。
2016年からジュニアサッカーNEWSにて執筆開始。
2017年10月より副編集長、2019年4月より統括副編集長/戦略事業部。
2022年1月より統括編集長/オウンドメディア事業部。

自身もサッカー少年の母です。
保護者目線で「保護者が知りたい情報」を迅速にお届けするため、日々奮闘中。

いろいろな方の貴重なお話を直接聞けるこのお仕事にわくわくさせてもらっている毎日です。

できるようになりたいこと、勉強したいことが山のようにあります。
一つずつチャレンジしていきたいと思います。
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