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新年度までにライバルにぶっちぎりで差を付けろ!①この一流指導者のトレーニングがすごい!いち早く練習に取り入れよう!

良い指導者の見分け方とは何でしょう?

それは、

・練習方法の引き出しの多さ
・目的をきちんと説明することができる
・課題に対してのアプローチ(解決方法)を持っている

ことにあるのではないか、と先日の日本サッカー協会への取材を通して感じました。

そこで、全国レベルで活躍する選手たちはどんな指導を受けているのか?を追体験できるDVDをご紹介します。中学生・高校生がメインになりますので、小学生には難しい面も出てくるかもしれません。

ですが、高校へ行ってサッカーを続けるということは、このような指導に食いついていかねばならないということでもあります。

中学・高校へ行って、「監督が何を言ってるんだかわからない!」「今の指示、何をするって?」という、いわゆる「バベられた」状態にならないために見てみるのも良いと思います。

「こんな方法があるんだ!」という目からウロコものもたくさんあります。

大津高校の100分間トレーニング

指導者紹介:平岡 和徳(ひらおか かずのり)

熊本県出身

【選手歴】
帝京高校(二度の全国制覇、主将)
筑波大学(総理大臣杯準優勝、関東大学リーグ優勝 主将)

【指導者歴】
熊本商業高校
熊本県立大津高等学校(インターハイ19回、選手権15回出場、43名のJリーガー輩出)

平岡監督は、「5つのテーマ」を持って指導に当たっています。

・諦めない才能を育てるのがスポーツの最大の財産である。
・技術には人間性がストレートに現れる。
・強いチームは良い挨拶が出来る。
・感動する心と感謝の気持ちを常に持とう。
・苦しいときは前進している

「変態を育てる」として有名な平岡監督。「変態」というのは、他の人にはないストロングポイントを持っている、という意味です。個人の持っている特徴を最大限に活かすという意味でもあります。

大津高校の「100分トレーニング」を追体験!

平岡監督が選手に頻繁に言っているといわれる言葉が、

「24時間をデザインしろ」ということです。
1日は誰にとっても24時間ですが、使い方によってその24時間という時間は無限のものになります。

そこで、大津高校が取りいれているのが「100分トレーニング」。100分、1時間40分は高校年代のトレーニングにしては短い時間です。中学生だとしても短いです。その限られた100分の中を、いかに工夫して密度を高め、自分を追い込んで成長させるかという工夫が凝らされている100分トレーニングを全公開したDVDがあります。

100分、と区切られていることは、選手たちに「終わりがあるから頑張れる」という意識を持たせます。また、試合時間の80分間(高校年代)を戦いきる力をつけるという意味でもあるようです。

1つの練習に複数の目的を持たせる

記事11photo:See-ming Lee

◆左右のインサイドボレーの練習
◆サイドステップの練習
◆密集地帯でも人をかわして動ける力
◆試合の中での声出し(声を出して相手を呼ぶ習慣)
◆空いている味方を探す能力

これを一度に練習することは、可能なんです。
こちらをどうぞ。

判断のスピードを上げるために

・ボールスピード
・ランニングスピード
・シンキングスピード
・判断のスピード

サッカーは、人もボールも動くスポーツです。休む時間はありません。自由であるがゆえに、自分は今何をすればいいのか、攻めるのか守るのか、ドリブルかパスかという判断をし続けなければいけないスポーツです。

動作を決めるのは「判断」です。どんなに走るのが早くても、判断が遅れれば動き出しが遅れます。せっかくの走力が無駄になるということです。

その判断のスピードは、トレーニングによって高めることができます。トレーニングの負荷を上げ、たくさんのパターンを頭に集積させていくことが「無意識の判断」「気づいたら体が先に動いていた」ということにつながります。

サンプル画像の中にもありますが、「判断のないドリブルはダメ」など、要所要所でどんどん判断に関する指示が飛びます。

ずっと脳に負荷をかけ続けていると、頭がぼーっとしてきます。頭脳労働だけでも人間はへとへとになれる動物ですが、この絶え間ない反復練習は、脳に思わぬ効果をもたらすことがわかっています。

多彩な動きは「効率のよい脳」が生む!

記事12photo:Nayuki

プロのピアニストとアマチュアのピアニストが同じフレーズをピアノで弾くと、脳が行う活動はプロのピアニストのほうが少ないという研究結果があります。

少ない部分しか使わないので、脳の容量が「余っている」という事態が起きます。すると、余っている部分が他のもの(繊細なピアノタッチ、感情表現など)に回すことができ、総合的にはるかに良い演奏ができます。

ネイマール選手とアマチュア選手をはじめとするアスリートたちの動作に対する脳の動きを調べた研究があります。同じ動作をしているのに、ネイマール選手の脳が活動している部分は他の選手に比べて少ないという結果が出ました。スペインの2部リーグの選手と比べても明らかに少なかったのです。

参照サイト:脳の活動と運動能力の関係(クラブアルペン情報局)

同じ動作をしても脳の負荷が少なければ、空いている容量をほかのことに使えるようになります。すると、常人よりも多彩な動きができたり、複数の関節を複雑に動かしての方向転換が可能になるなど効率の良い動きを生み出すことができるようになるのです。

そして、プロのピアニストとアマチュアのピアニスト、一番分かりやすい違いは「どれだけ反復練習してきたか」「難しい曲をどれだけ練習したか」ということになります。

ちなみに、プロになるピアニストとアマチュアのピアニストの練習量の違いですが、

プロになる子…毎日3時間以上
アマチュアの子…毎日1時間前後

と明らかな違いがあります。

そして、最大3時間の練習に到達する子の中でも、「練習効率」を取り入れた子のほうが、同じ才能を持っているならプロになれる確率が高いといわれています。

サッカーにおいても、脳の動きを良くするのは、練習効率を追求した負荷の高い練習の反復です。

DVDは、「練習効率」を追求してきた人の技術を分けてもらえる有効な手段です。視覚を使って見られる、繰り返せるというところもメリットです。

大津高校サッカー部監督 平岡和徳の勝率を上げる100分トレーニング
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流経大柏の「スクリーン」技術を育てるトレーニング

指導者紹介:本田 裕一郎(ほんだ ゆういちろう)

静岡県出身

【選手歴】
順天堂大学

【指導歴】
千葉県立市原緑高等学校
習志野市立習志野高等学校
流通経済大学付属柏高等学校
50名以上のプロ選手を輩出

流通経済大学付属柏高等学校(流経大柏)は、練習の最初に「ルーティン」といわれる儀式があるようです。

選手たちが直径10メートルくらいの円を作って立ち、全員がナンバーワン宣言をするのです。
「キックの日本一になります!」から、
「掃除の日本一になります!」
まで、いろいろな日本一がいるようですが、これでモチベーションを高めて練習に臨み、良い結果に結びつけています。

参考文献:『高校サッカー勝利学』(本田裕一郎)

特徴的な「上半身のセンス」はこうして作る!

「スクリーン」という言葉があります。バスケットボールなどを見ていると聞く機会の多い言葉です。ボールを敵の目から隠し、大事にキープする技術ですが、これには上半身の上手な使い方が不可欠になってきます。

このようなトレーニングが紹介されています↓
意識付け、感覚として身に着けるために最初はボールを手でもって行います。これは、ジュニア選手でも遊び感覚で摂りいれることができそうです。

「ピッチには常に敵がいる」

記事13photo:US Embassy Kabul Afghanistan

サッカーのピッチには常に敵がいます。その意識付けを行うために、流経大柏では徹底した対人練習を行っていることでも有名です。

敵がいるからこそ、勝負は一瞬で決まります。
「現代サッカーのゲームは忙しい」と本田監督は言います。「忙しい中でボールを失いやすい」。だからこそ、隠す、大切にする、渡さないという意識付けが大事です。

流経大柏のボールポゼッションの高さの理由を知ることができるDVDです。

ピッチには必ず敵がいる! 流経大柏の対人実践ドリル
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履正社高校に学ぶ「スペースの活かし方」

指導者紹介:平野 直樹(ひらの なおき)

三重県出身

【選手歴】
松下電器サッカー部
ガンバ大阪

【指導者歴】
ガンバ大阪ユースコーチ
ベガルタ仙台ユース監督
履正社高校サッカー部監督

「効率的かつ効果的なサッカー」を目指す平野監督は、常に実践を意識した練習を行っています。トレーニングの特徴としては、ウォーミングアップとしても使え、負荷の高い練習にも変化させることのできるトレーニングばかりだということです。

当たり前のトレーニングを「ちゃんと」やることによって、個人の技術が上がっていき、それはやがてチーム強化につながってくるという姿勢も学べるDVDです。

「ボールを失わずにゴールを奪う」

記事15photo:woodleywonderworks

サッカーは22人が入り乱れて1つのボールを守り、相手ゴールを奪う球技です。そのため、必ずスペースが生まれます。

「スペースを使え!」というのは良く言われることですが、「スペースを使う」ということは具体的にどういうことなのかというと、

「あの辺」ではなく、「あそこ」という一点にボールを出す意図と技術をイメージしたうえで練習を行う。これが人数を増やし、パターンを増やしてゲームに落とし込まれていく様は必見です。

ディフェンスの「協力」「連携」は何をしたら身につく?

常に「ライン」「マーク」を意識しないといけないのがディフェンスというポジションです。小学生年代でポジションを固定されることはそんなに多くありません。

小さいころは「前め」「後ろめ」という感じで大まかに分けられるだけで、ポジションという意識が出てくるのはU-10以上になるのではないかと思われます。

ジュニア年代は特に、「攻める」というイメージはできても、「守る」というと「クリア」「ボールを取る」だけのイメージしか持っていないという子どもが結構多いのも事実です。

ディフェンスの訓練は、ちょっと対象年齢は上ですが、こういう練習が大事になってくるんだというイメージ作りに役立つと思います。

ボールを失わずにゴールを奪うためのエッセンスが詰まったDVDです。

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最後に

初心者にも説明が分かりやすいDVDを3つご紹介しました。これらは、練習に取り入れて追体験することももちろんできますが、「良い指導とは?」「効果を出す指導とは?」の学習にも使える者たちです。

ユース年代の選手たちの実技や練習風景、練習中の雰囲気を見ることができるので、「こうなりたい」というモデルケースのイメージを作るのにも向いています。

指導者の方々は、自分のチームを強くするために、子どもたちに勝利の喜びを味わわせるために日夜様々な努力をしています。その努力の一助となればと思います。

 

この記事を書いたライター

JUNIOR SOCCER NEWS統括編集長/事業戦略部水下 真紀
Maki Mizushita
群馬県出身、東京都在住。フリーライターとして地方紙、店舗カタログ、webサイト作成、イベント取材などに携わる。2015年3月からジュニアサッカーNEWSライター、2017年4月から編集長、2019年4月から統括編集長/事業戦略部。2023年1月からメディア部門責任者。ジュニアサッカー応援歴17年。フロンターレサポ(2000年~)

元少年サッカー保護者、今は学生コーチの親となりました。
見守り、応援する立場からは卒業しましたが
今も元保護者たちの懇親会は非常に楽しいです。

お子さんのサッカーがもたらしてくれるたくさんの出会いと悲喜こもごもを
みなさんも楽しんでくださいますように。

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