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動画・写真あり!【決勝マッチレポ&インタビュー】第48回全国中学校サッカー大会2017

ジュニアサッカーNEWSでは20~23日の4日間に渡り第48回全国中学校サッカー大会2017において、現地からの結果速報・マッチレポートの配信とチームへの取材を実施しました。現地に行けない保護者や関係者、サッカーファンの皆様に少しでも試合の雰囲気が伝われば幸いです。

▼大会結果はこちら
8/23 決勝:青森山田 VS 鹿児島育英館
8/22 準決勝:青森山田 3-2 多摩大学目黒 、鹿児島育英館 3-0 日章学園
2017年度【全国大会】第48回 全国中学校サッカー大会(熊本県開催) 

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第48回全国中学校サッカー大会 現地からの大会の様子をレポートします

決勝 青森山田中 vs 鹿児島育英館中 マッチレポート

8月23日(水)決戦の朝、熊本県大津町運動公園は真っ青な空が広がり、強い日差しがギラギラと照り付けていました。今日の予想最高気温は34℃! 選手の皆さん(そして私も)暑さとの戦いを強いられそうです。

試合前から戦いは始まっている!!

キックオフ1時間前。設営が着々と進められている球技場(ピッチ)横の芝生スペースでは、両校の選手たちが入念に試合前のアップを行っていました。対戦相手を数メートルの距離に感じながら、チームメイトと大きな声を掛け合い、試合への気持ちを高めています。試合後のインタビューで、青森山田の上田監督は「アップから相手を圧倒していこうと話していた」とおっしゃっていたとおり、直接体をぶつけあうことはしないものの、すでに両チームの気持ちと気持ちはぶつかり合っている。そんな印象を受けました。

アップ中の鹿児島育英館

アップ中の青森山田

キックオフ!

九州代表の鹿児島育英館中は大応援団が駆け付け、試合開始前から声を張り上げ、選手を鼓舞します。

青森山田中は7年連続12回目の出場です。2012年、14年、15年、16年と過去に優勝4回の実績を誇り、今大会では史上初の4連覇に挑んでいます。北国のチームですから、こちら熊本の暑さは未経験の暑さではないでしょうか。

対する鹿児島育英館中は2年ぶり7回目の出場です。2009年には3位、2014年には準優勝に輝いています。2014年の準優勝時は奇しくも青森山田中との決勝戦でした。

両チーム円陣を組み、気持ちを一つに!

10:00キックオフ!!

まずはお互いにしっかりとボールキープして、様子を見るのか…と思いきや、開始早々に試合が大きく動きます。青森山田がセットプレーからゴール前にロングキックを入れると、青森山田10番藤原選手がヘッドで中継、キーパー前で青森山田と育英館の選手が競り合います。こぼれたボールは青森山田の17番FW藤森選手(2年生)の前にふわりと落ちてきます。これを藤森選手は迷いなくダイレクトでボレーシュート! 浮いた難しい球を見事に低くコントロールし、ゴール左隅に流しこみました。開始2分、最初のセットプレーから一瞬の出来事で、プレスの間でも「おぉ~!」っと驚きの声が上がりました。17番藤森選手のFWらしく常にゴールを狙う姿勢が生んだ得点だったように思います。藤森選手は今大会2得点目。これで青森山田が1-0とリードしました。

早い時間に先制し、試合を有利に進める青森山田中。17番藤森選手、11番粟津選手(今大会6得点)、6番鈴木選手がゴール前に迫りますが、育英館中のゴールキーパー、ヒル選手が必死のセーブで防ぎます。

10番キャプテンの藤原選手が落ち着いて左右にボールをさばき、効率よくゴール前にボールを運ぶ展開もよく見られました。

鹿児島育英館のしのぐ展開が続きます。青森山田のコーナーキック1本目。8番2年生の松木選手が左足でグラウンダーのボールを供給すると、青森山田は2人がシュートと見せかけて連続でスルーするトリッキーなプレーを見せ、10番藤原選手が強烈なシュート。育英館18番重村選手がナイスブロックで弾きます。こぼれたボールを青森山田の2番鈴木選手が走り込み思い切りよくシュート! しかし、これも育英館5番立石選手が必死のブロックでゴールを死守しました。さらに青森山田のコーナーキックが続きますが、追加点は生まれず、クーリングブレイクとなりました。

クーリングタイム後、育英館中は球際の厳しさを増したように感じました。11番の坂元選手が右サイドからキレのあるドリブルを見せたり、3番芹ケ野選手が左サイドの起点となるなど、育英館中もピッチを広く使って反撃を試みます。

しかし、育英館中がなかなかゴール前に迫ることができない時間が続きます。

中盤での速いプレスで攻撃の芽を摘み取る青森山田中。奪ってからゴールに迫る速さが目を引きます。18番の小野選手が左サイドからドリブルで切り込むとマイナス気味にグラウンダーのボールをゴール前に入れ、6番の鈴木選手が低い弾道のシュート! これは育英館中のゴールキーパー、ヒル選手が素晴らしい反応でしっかりキャッチし、ピンチを防ぎました。ヒル選手は再三のスーパーセーブでチームを救っていました。

青森山田 1-0 鹿児島育英館中 で前半終了です。

ハーフタイム中も、鹿児島育英館中の応援団は声を出し応援歌を歌います。気温がさらに上がって来ました!(後で確認したところ、なんとピッチ上の気温は39.8度だったようです!)

後半開始。

前半の終了間際、鹿児島育英館がボールを保持する時間が増え、徐々にペースをつかんできたように感じました。後半、いいテンポで試合を進めたいところです。

しかし、先手を取ったのは青森山田中でした。後半開始2分、高い位置で青森山田17番の藤森選手がボールを奪うと、そのまま自らゴール前に駆け上がり、思い切りのよいシュート! 青森山田中に待望の追加点が生まれます。藤森選手は本日2得点目!

前半に続き、後半も素晴らしい立ち上がりを見せる青森山田。ボールを奪ってから、シュートまでのスピード感が光りました。青森山田 2-0 鹿児島育英館です。

2点目が入ってからは、お互いに一進一退の状況に。応援の方々からは「やり切ろう!」「どんどん行こう!」と檄が飛びます。

各所で激しいマッチアップが繰り返されました。

後半のクーリングタイムを挟み、青森山田が押し込む時間帯が続きます。後半の24分には左サイドから青森山田18番小野選手の速いクロスを11番粟津選手がシュート! 鹿児島育英館は必死にブロックします。育英館16番の中原選手がボールを足元に収め、前線に送ります。

中盤の攻防から上手くボールを奪った育英館がダイレクトにつなぎ、10番永井選手がシュートを放つも、これは惜しくもオフサイドでした。後半27分には中盤からのロングボールに育英館9番の東郷選手が走り込み、上手くDFをかわしますが、青森山田のキーパー長濱選手が素晴らしい判断でファインセーブを見せます。育英館中は惜しい場面でした。

風のないピッチ上は、相当な暑さだと思いますが、終盤になっても両校共に運動量は落ちません。集中力を切らすことなく、引き締まったメリハリのあるプレーを続ける両チームの姿はさすが決勝戦に勝ち上がったチーム同士の戦いという感じがしました。

育英館のキャプテン5番立石選手が中盤に上がってプレーするようになり、攻撃にスピードとリズムが出てきた育英館中が青森山田のゴール前に迫る場面が増えました。

後半アディショナルタイムは5分。青森山田が巧みにボールを回し、落ち着いた試合運びを見せます。32分、鹿児島育英館のセットプレーからロングボールの競り合いでゴール前の攻防。青森山田がファール。鹿児島育英館のPKとなります。

PKのキッカーは5番キャプテンの立石選手。落ち着いて、右隅にグラウンダーの速いシュートを決めると、すかさずボールを取りに走り、センターサークルに駆け戻ります。青森山田 2-1 鹿児島育英館中と1点差に詰めよりました。アディショナルタイム残り1分半ほど。1点を返し、勢いが付いた鹿児島育英館は10番永井選手も力のあるシュートを放ちますが、これはキーパー長濱選手ががっちりキャッチ。ゴールを割ることができません。

 

更に育英館が押せおせの時間が続きます。右サイドから10番永井選手のクロスからコーナーキックを得ます。育英館はキーパーのヒル選手も青森山田のゴール前に上がり、全員攻撃に出ます。しかし、ゴールを割ることはできませんでした。青森山田も最後まで集中力を切らさずに、こぼれ球を拾い、カウンターで無人のゴールを目指しますが、育英館が必死のクリアで逃れました。

 

必死にゴールに近づこうとする育英館とロングボールで逃れる青森山田。最後まで青森山田のプレスが緩むことはありませんでした。そして、試合終了のホイッスル。平成29年度の決勝戦は青森山田 2-1 鹿児島育英館 で終了しました。

青森山田、大会初の4連覇達成の瞬間!

こうして第48回全国中学校サッカー大会のすべての試合が終了し、閉会式となりました。

閉会式の模様

先輩たちが築き上げた3連覇の歴史が刻まれた優勝旗。今年度も青森山田の手に。

出番を待つゴールドメダル。

優勝:青森山田中

 

 

喜びが爆発!

準優勝:鹿児島育英館中

青森山田中(青森県)インタビュー

上田 大貴 監督

決勝戦を振り返っていかがでしたか?
「非常に苦しい試合でした。この暑さと5連戦目という疲労の中での試合で、選手たちが集中を切らさずに本当によく戦ってくれたと思います。」

大会全体を振り返って一番印象に残っているシーンなどありますか?
「青森県では体感した事の無い、この暑さの中でも、選手たちが優勝を見据えて、次の試合に向けた準備をしっかりしていたこと。優勝するための宿舎での過ごし方などにすごく頼もしさを感じました。」

決勝戦前、選手の皆さんの様子はいかがでしたか?
「準決勝に苦戦して(青森山田 3-2 多摩大学目黒)勝ったので、それがかえって良かったのだと思います。昨日、完勝していたら油断したり、昨日のように、というような入りをしてしまったかもしれませんが、準決勝でいいシュートを決められたりしたので、ミーティングも今までと目つきが違いましたし、『簡単には優勝できないんだ』という気持ちを持てたことが良かったと思います。」

前半の立ち上がりが素晴らしかったですね。
「そうですね、燃えたぎるモチベーションとやるべきことの約束事をしっかり頭の中で整理して試合に入れたことで、立ち上がりの1点を取れて、余裕をもって戦えたと思います。」

終盤に鹿児島育英中の反撃の時間帯がありましたが、監督はどのようなお気持ちでみてらっしゃいましたか?
「しっかりこの猛攻を跳ね返すんだ、という気持ちの勝負では絶対にうちのチームは負けないと思っていました。」

今後の目標をお聞かせください。
「高円宮杯を目指してしっかりやっていきたいと思います。ただ中学サッカーだけでなく、この子たちが高校サッカーや更にその上のステージを見据えて、しっかり指導していきたいと思います。」

 藤原 優大キャプテン

キャプテンマークの裏側には昨年度のキャプテンからのメッセージが!

大会全体を振り返って、1番印象に残っているシーンはどんなシーンですか?
「1試合目の始まりのホイッスルが鳴った瞬間と、最後に決勝戦の試合が終わる時になったホイッスルの音が印象に残っています。」

それはなぜですか?
「1試合目はプレッシャーもあって、すごく硬かったのですが、それを何とか乗り切って、2回戦からはいつも通りやれて、みんないいプレーができました。決勝終わった瞬間は、嬉しかったし、優勝のために苦しいことも乗り越えてきたので・・・達成感がありました。」

昨年は先輩たちのチームに2年生で入って優勝されていますね。今年自分たちが3年生になって臨む大会は何か違いましたか?
「昨年は先輩たちに引っ張ってもらって戦っていたんですけど、今年は自分たちが引っ張る立場になってプレッシャーもたくさんありました。キャプテンとしてチームを引っ張るということに関しても、去年のキャプテンより劣っていたかもしれないですが、みんながカバーしてくれて、こうして全国の舞台で優勝して、日本一のキャプテンにさせてくれたことに本当に感謝しています。」

今後の目標を教えてください。
「まず二日後には韓国で大会がありますし、冬には高円宮杯があります。自分たちはそこを狙えるチームだと思いますし、そこを目指してここからまた一丸となって頑張っていきたいと思います。」

青森山田中の皆さん、優勝おめでとうございました!

鹿児島育英館中(鹿児島県)インタビュー

山平義幸 監督

本日の決勝戦を振り返って一言お願いします。
「単純に悔しいですね。」

終盤は押せ押せムードで、追い上げがすごかったですね。
「そうですね、同点にできるチャンスもあったんですが、力不足でした。」

後半の給水タイムには選手の皆さんにどんな声をかけましたか?
「給水タイム終わってからは後ろを3枚にして、前を増やしてどんどんボールを入れていくという形にしました。そこで相手がちょっと慌てだしたかなと思いますが、まだ力不足でした。」

この大会全体を振り返って、今一番印象に残っていることは何ですか?
「決勝戦で、このようなレベルの高いチームと試合ができたという事は、また自分たちがレベルアップする上で、すごくいい経験になったのではないかと思います。」

立石 雷音 キャプテン

今日の決勝戦を振り返って一言お願いします。
「今日もチーム一丸となって、絶対に勝ってやろうという気持ちでいたのですが、やはり決勝戦ということで硬くなってしまって、前半と後半の入りに失点してしまったのが、良くなかったと思います。」

今大会を振り返って一番印象に残っていることや心に残っていることを教えてください。
「1回戦、2回戦があまりうまくいかない展開だったのですが、試合が進むにつれてまとまりが出てきて、いい状態になっていったのは良かったと思います。」

準決勝までと決勝では緊張感など違うと感じましたか?
「アップまではいつも通りで変わらない感じだったのですが、試合が始まってすぐはやっぱり緊張していたみたいで、硬くなってしまい、足が止まっている時間帯があって、失点してしまったので、そこが良くなかったかなと思いました。」

終盤の猛攻がありました。キャプテンは周りにどんな声をかけたんですか?
「鹿児島県大会の決勝でも、0-1から後半ロスタイムで逆転していたので、みんなまだやれる、という気持ちを持っていたので、『最後までやろう!』と声を掛けて戦いました。最後になんとか1点をとることができたのは良かったと思います。」

鹿児島育英館中学の皆さん、お疲れさまでした!まだまだ伸び盛りの中学生です。きっと今日の悔しい気持ちをパワーに変えて、さらなる飛躍を遂げてくれることと思います。これからも頑張ってくださいね!

写真アルバム

 

氷水に浸かってクールダウン中!

 

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【準決勝インタビュー・写真】第48回全国中学校サッカー大会2017

最後に

大会関係者の皆さん、中学生スタッフの皆さん、お疲れ様でした!暑い中での運営、ご苦労されたことも多かったと思います。どなたに声を掛けても親切に対応してくださって、本当に助かりました。こうして試合ができる裏には多くの方達の支えがあるということに感謝したいと思います。素晴らしい大会をありがとうございました!

この記事を書いたライター

統括編集長/オウンドメディア事業部江原 まり
長野県出身。
ライター歴11年。
子育て系メディアにて、主に教育、引越し、子育て全般についてのコラムを100本超執筆。
2016年からジュニアサッカーNEWSにて執筆開始。
2017年10月より副編集長、2019年4月より統括副編集長/戦略事業部。
2022年1月より統括編集長/オウンドメディア事業部。

自身もサッカー少年の母です。
保護者目線で「保護者が知りたい情報」を迅速にお届けするため、日々奮闘中。

いろいろな方の貴重なお話を直接聞けるこのお仕事にわくわくさせてもらっている毎日です。

できるようになりたいこと、勉強したいことが山のようにあります。
一つずつチャレンジしていきたいと思います。
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