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中学からは部活?クラブ?そのもやもやを吹き飛ばす説明会に行ってきました - 2

東久留米総合高校の場合(平成27年度)

中村憲剛選手など、多くのJリーガーを輩出していることで有名な、東京都立東久留米総合高校の推薦制度を調べてみました。

推薦枠1

サッカー推薦の定員

男子5名

出願者

52名(応募倍率10.4倍)

推薦枠

注目していただきたいのは、学科の調査書が900点満点、実技が600点満点ということです。一般推薦の調査書も900点、作文が500点満点なので、サッカー推薦のサッカー実技と一般推薦の作文はほぼ同程度の比重だということがわかります。

サッカー実技が同じ点数だったら、評定のよい生徒のほうが合格するということです。

サッカーさえしていればいい時代ではありません。部活においてもクラブチームにおいても、サッカーと勉強の両立が求められています。

今は、クラブチームであっても、サッカーの指導だけでなく、勉強も熱心にするように指導してくれるチームも増えてきました。進路指導に力を入れているチームもあります。その点も含め、勉強をする姿勢をバックアップしてくれるクラブチームなのかどうかも事前に調べる必要があるようです。

東久留米総合高校の推薦制度はこちら(都立東久留米総合高校公式HP)



クラムジー(clumgy)を考慮してくれるか?

clumgyphoto:Bratislavská župa

成長期に訪れる「クラムジー(clumgy)」。思春期(第2次成長期)に突然訪れる「伸び悩み」の時期のことです。

ある日突然、思い通りにプレーが出来なくなった。それは成長期に訪れる「クラムジー」かも知れません。(参照サイト:サカイク)

池内「骨と筋肉は同時には成長しません。このため、体の使い方にぎこちなさが生まれることがあります。成長期に起こりやすい現象です。

選手たちはこれを「伸び悩み、スランプ」と考えてしまいます。

クラムジーを脱出する方法はあります。適切な練習を続けているうちに脱出できるのですが、この時期が肉体的にも精神的にも非常に難しいのです。

人生で一番、自分をどうしたらいいかわからなくなる時期です。お父さんたちには覚えがあるんじゃないですか?そんな時期が必ずやってきます」

クラムジーはポスト・ゴールデンエイジ期(13歳?15歳)に多く見られる現象です。心身ともに不安定になってしまうため、ジュニアユース年代のサポートは必須です。

この時期、適切なサポートが受けられない場合には「才能がない」「もうだめだ」とサッカーをやめてしまう選手もいるのが事実です。

クラムジーを克服するためには、知識と経験のある指導者が欠かせません。これも、クラブチームや部活を選ぶときの基準になりそうです。

池内「これからサッカーを続けるかどうか、ぜひ親子で決断して下さい。親のサポートも絶対に必要です。子どもだけの努力では今後3年間はうまくいきません。

クラブチームと部活を選ぶ段階は、中学3年間への入り口です。だからまず、入り口に入るまでに時間を取ってほしいのです。

ぜひ、お子さんのことを考えて、サッカーを続けるかどうかも含めてご家族で話し合ってみてください」

コーチという存在の重要性

アルテ最後は、ARTE八王子FC・ARTE八王子FCジュニアの母体、幼体連スポーツクラブ代表の鈴木 芳夫さんのお話でした。

鈴木「今日家に帰ったら、まずお子さんの話を聞いてください。本人の意思を尊重して下さい。

サッカーには山も谷もあります。そこで頑張れない選手はどこへ行っても頑張れません。

ただ、思春期には思いもかけないことが起きます。どこで何が起こるかわかりません。中学でも、高校でも、つまづくことはあります。

そのときは、ぜひ小学校年代をともに歩んだコーチを頼ってください。

親もだめ、学校の先生もだめ、友達にも話ができないという状態になった子どもも、小学校年代のコーチには胸襟を開いて話をすることができます。私自身もそうした子どもの相談に何度も乗ったことがあります。

ぜひ、困ったことが起きたらコーチを頼ってください」

実際に、高校生になってひきこもり、誰とも話をしなかったのにコーチにだけは話ができ、高校に復帰できたという実例もあるそうです。

「ともに歩む」という姿勢

アルテ歩くphoto:www.GlynLowe.com

ARTE八王子FCジュニア(U-11、U-12)の快進撃は東京都でも注目されています。

鈴木「だからこそ、マナーや生活態度が大事になってきます。そういったこともちゃんと教えていきたい」

池内「その道に進む前にいろいろ考えてほしい。ここで考えるために時間を使うことは、とても大事なことです」

部活かクラブチームか、ということを考えるときに、まずお子さん本人のサッカーに対する姿勢や考え方、覚悟を確認すること。

それはとりもなおさず、お子さん自身の自立を認めることになります。

サッカーは大人のスポーツと言われ、特にジュニア年代では精神年齢の高い子、自立心のある子がうまいという現象がよく起きます。

ARTE八王子FCジュニアの快進撃の秘密は、選手の自立心を育てることも指導のうちととらえていることにあるかもしれません。

ARTE八王子FC(U-15)の情報はこちら(参照サイト:ARTE八王子FC公式HP)
株式会社幼体連スポーツクラブはこちら(参照サイト:幼体連スポーツクラブHP)

最後に

雨の降る中でしたが、会場は保護者の方とお子さんたちと、私語ひとつなく熱心に話を聞く姿が見られました。

クラブチームにするか、部活にするか、今も悩んでいらっしゃる方は多いと思います。今回の取材では、クラブチームか部活か、という選択肢の前に、まずサッカーに向かう姿勢を確認せよ、というお話から始まりました。

示唆に富んだ内容で、参考になる部分も多いのではないでしょうか。

ぜひ、親子で話し合い、よりよい進路選択をするための材料として参考になさってください。

取材に協力していただいた池内さん、株式会社幼体連スポーツクラブのみなさま、ありがとうございました。

日本サッカー協会の見解はこちら!

取材させていただける団体募集!

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この記事を書いたライター

JUNIOR SOCCER NEWS統括編集長/事業戦略部水下 真紀
Maki Mizushita
群馬県出身、東京都在住。フリーライターとして地方紙、店舗カタログ、webサイト作成、イベント取材などに携わる。2015年3月からジュニアサッカーNEWSライター、2017年4月から編集長、2019年4月から統括編集長/事業戦略部。2023年1月からメディア部門責任者。ジュニアサッカー応援歴17年。フロンターレサポ(2000年~)

元少年サッカー保護者、今は学生コーチの親となりました。
見守り、応援する立場からは卒業しましたが
今も元保護者たちの懇親会は非常に楽しいです。

お子さんのサッカーがもたらしてくれるたくさんの出会いと悲喜こもごもを
みなさんも楽しんでくださいますように。

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