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親子で必見!真剣に考えるジュニアサッカー選手の将来の選択肢

「やりたいこと」はどこにある?

小学校高学年・中学生のジュニア選手の頭には、ときどき「進路」という文字がちらつくのではないでしょうか。

特に中学生は、高校の練習会や、クラブチームのセレクションに加えて「入試」という避けては通れない関門が待っています。

学校の進路は学校の先生にお任せして、サッカーの進路を考えるとき、「やりたいこと」がどこにあるのかわからないジュニア選手のための「進路を考える」特集です。

ジュニア世代は、まず方向性を知ることが大事。細かく「これになる!」と決めるより、「こんな仕事もあるんだ!」を知っておくほうが将来の役に立ちます。

おおまかにサッカー関連の職業を4分野に分けてご紹介します。

photo:Mark Evans

チェックの多い方へ進みましょう

職業画像チェックphoto:Tristan Martin

□とにかくサッカーを続けたい
□プレーするのが好き
□プロになるのを諦めない
□運動会の主役は当然自分だと思っている
□騎馬戦は絶対上に乗りたい
□サッカーの試合に出るためなら、徹夜で勉強も辞さない

「プレーする」へ

□クラスでは「副」がつくポジションが好き
□頼られることが多い
□人を動かすのが好き
□スマイルには自信がある
□騎馬戦は下で支えたい
□お楽しみ会では必ず実行委員会にいる

→「サポートする」へ

□人に教えることが好き
□自分の説明は友達から「わかりやすい」といわれることが多い
□サッカーは観戦するのも好き
□走りながら、筋肉について考えたことがある
□もっと速く走れる方法を編み出したい
□サッカーを観戦していて、担架が担ぎ出されると行って助けたくなる

→「教える」へ

□旅行など、新しい知識を知ることが好き
□サッカーは観戦するほうが好き
□人にものごとを説明するのが得意
□すてきだと思ったら人に伝えたいと思う
□思い立ったらすぐ行動に移すほうだ
□知らない人とでもサッカーの話で盛り上がれる

→「伝える」へ

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プレーする

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職業見本帳

・Jリーガー
・JFL選手
・Fリーガー
・フットバックプレーヤー
・リフティングパフォーマー
など

進路のために

プレーを続けて、いずれはプロになりたいと思っているなら、4つの選択肢があります。

プロサッカー選手
●Jリーグ下部組織に入り、トップチーム昇格を目指すこと

Jリーグ下部組織のセレクションに受かることが第一条件となります。また、受かって終わりではありません。Jリーグの中で一番選手の育成に熱心といわれているガンバ大阪でも、トップチームに昇格できるのは数人にすぎません。該当者がない年もありました。

下部組織に入り、そこで努力し続けるということが大事になってきます。

●高校サッカーで活躍し、スカウトの目に留まること

県大会レベルのサッカー部のあるところに入る必要があります。サッカー推薦を受け付けていないところもあるので、学力で入る覚悟も必要です。

東京都の場合、高校のサッカー推薦は、都大会で優秀な成績を修めた選手か、クラブユース大会で優秀な成績を修めた選手、というくくりになっているところが多く、かなりの狭き門です。

また、高校選手権での活躍がスカウトからの注目に繋がってきます。全国大会出場、そして優勝を目指して努力する必要があります。

●大学サッカーで活躍し、スカウトの目に留まること

職業画像スカウトphoto:Erin Kohlenberg

高校で見いだされなかった場合、大学へ進学してサッカーを続けるという選択肢があります。この場合も、サッカー推薦を受けられるかどうか微妙になる場合がありますので、学力で受ける覚悟も必要です。

大学1部リーグに所属しているような大学のサッカー部は部員も多く、4部まであるところもざらです。一つずつ上に昇るための地道な努力が必要です。

●トライアウトでがんばること

サッカー選手の一般公募はたいへん少ないのですが、「トライアウト」という制度を採用しているチームもあります。

プロのセレクションのようなものだとお考えください。選手でも、一度チームから放出され、トライアウトを受けてサテライトチームから始めてレギュラーになった選手もいます。ただし、本当にかなり狭き門です。

パフォーマー、プレイヤー

技術を披露するお仕事です。自分の技術で観客を「魅せる」ということが必要になります。フリーランスでやっていかなくてはならないので、とにかく体が資本です。高い技術が必要なのはいうまでもありません。

フットバッグを広めたい!
世界でたった一人、僕だけの仕事。(参照サイト:another life)

フリースタイルフットボール(日本フリースタイルフットボール協会)

こんな動画を見つけました。

衝撃!!フリースタイルフットボール世界一が魅せる華麗なる足技!!

https://youtu.be/VOdtHYHh5ZI

参照サイト:Youtube

芽が出るスピードは、人による

職業画像芽photo:Chelsea Matthews

成長のスピードは人によって違います。小さいころからエリートコースを歩んで来たのに、途中で伸びどまってしまう人もいれば、順調にずっとエリートのまま行く人もいます。

大学まで無名だったのに、スカウトの目に留まり、日本代表まで上り詰める選手もいます。

高校まで違う種目をやっていたのに、Jリーガーになってしまった選手も、ひいきのチームに1人くらいいるのではありませんか?

芽が出るスピードは、人によって違います。スランプもありますし、一時的に伸びどまる時期もあります。そこで腐ってしまわずに、少しでも前に進んでいくと信じて練習し続ける努力は絶対に必要です。

サポートする

職業画像医者photo:Cristiano Betta

職業見本帳

・審判
・トレーナー(フィジカルトレーナー、スポーツトレーナー)
・栄養士
・スポーツドクター
・鍼灸師、柔道整復師
・チームスタッフ
・Jリーグ運営組織
など

進路のために
審判

職業画像審判photo:Bay Area Bias

審判がいなくては、試合ができません。フィジカル的にも、選手と同等の体力や運動能力が求められます。

審判になるには、資格が必要です。詳しくは、日本サッカー協会の概要を参照してください。4級審判員は、中学生になれば取ることができます。

審判制度概要(日本サッカー協会)

審判登録制度(日本サッカー協会)

スポーツドクター、鍼灸師、柔道整復師、フィジカルトレーナーなど

選手のフィジカルをサポートする職業です。専門的要素が強くなってきますので、専門的な勉強の場へ行く必要があります。

●スポーツドクター

大学の医学部へ進学します。6年間の大学生活のあと、国家試験を受験し、合格すると2年間のインターンを経て医師になります。

医学部にサッカー推薦はありませんので、学力で入るしかありません。

●トレーナー

専門職ですので、大学の体育学系の学部、あるいは体育大学や、体育の専門学校へ進学する必要があります。運動生理学、スポーツ心理学、スポーツ医学などを学ぶ必要があります。

社会体育指導者、トレーニング指導士などの資格が必要です。資格について、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

どんな資格があるの?(日本体育協会)

●鍼灸師、柔道整復師

高校卒業後、専門の養成校で3年以上学ぶ必要があります。学んだあと、国家試験を受けて合格すれば資格を取得することができます。

鍼灸師の仕事(Career Garden)
柔道整復師の仕事(Career Garden)

チームスタッフ、運営組織

Businessmen Shaking Hands --- Image by © Corbis

photo:Kiva.Dang (reic.vn)

経営面から選手を支えるお仕事です。この仕事がないと、選手にプレーの場を与えられません。裏方ですが、本当に大事なお仕事です。

非公式なルートがほとんどで、大学のサッカー協会の運営を手伝っているうちにスカウトされた人や、ボランティアからの抜擢、選手としてプレーしていて、引退後運営部に入って活動している人もいます。

2006年に、Jリーグでは初めてのスタッフ公募がなされました。その時は、「社会人経験3年以上」が条件でした。

Jリーグチームのホームページを見ていると、ごくたまに「スタッフ募集」の記事が出ることがあります。本当にたまになので、興味のある方はチェックしてみてください。正社員の募集はほとんどありません。

元日本代表の宮本恒靖さんが卒業したFIFAマスターは、サッカーの大学院です。大卒以上の学歴が必要となりますが、サッカーの歴史、運営、法学などを学び、卒業生は世界中で活躍しています。こういったところで運営を学ぶこともできます。

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教える

職業画像先生photo:Chicago 2016

職業見本帳

・コーチ
・中学、高校の部活顧問
など

進路のために
監督、コーチ

チーム強化のために働きます。監督やコーチは、ライセンスが必要です。

指導者養成講習会(日本サッカー協会)
公認指導者登録制度(日本サッカー協会)

国際ライセンスを取得することもできます。

「FAライセンス」で検索すると、日本からサッカー留学してライセンスを取得するコースのある海外留学のための会社がたくさん出てきます。

そんなプログラムの動画を見つけました。国際ライセンスはもちろん英語必須です。日本から行くツアーでは、通訳が付きますが、海外で活躍しようと思ったら自分でしゃべれることが必要です。

FA coach license Level 1 at Queens Playing Field

参照サイト:youtube

より詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。中学2年生以上は、辞書を引きながら自分で読んでみることを勧めます。

FA Coaching Courses(参照サイト:FA Coaching Courses)

中学・高校の部活顧問

まず、教員になることが必要です。中学高校の教員免許は教育学部を卒業しなくても取得することが可能です。ただし、大学によって教員免許を取得できるところとできないところがあるので、入学前にチェックしておくことは必要です。

大学卒業後、採用試験を受けてまず教員として勤務し、そのうえで部活の顧問になる必要があります。

選手としての実績がある方は、希望する部活の顧問になりやすいようです。

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伝える

職業画像伝えるphoto:Ronnie Macdonald

職業見本帳

・報道アナウンサー
・テレビ番組制作
・ピッチリポーター
・フリーライター
・カメラマン
・新聞記者
・雑誌記者
など

進路のために
アナウンサー、記者

ほとんどが大学卒です。アナウンサーの養成校を出てアナウンサーになる方もいますが、ほとんどは大学の「アナウンス研究会」に所属しているのが一般的です。

新聞や雑誌の記者になるには、出版社に就職してサッカーを担当する部署に配属される必要があります。入社の際は、幅広い知識を問われる試験があるところがほとんどです。

ピッチリポーター

芸能事務所に所属し、そこからオーディションを経て配属になる人がほとんどです。もちろん、サッカーの専門的な知識は問われます。

フリーライター、カメラマン

職業画像カメラマンphoto:Citizen59

会社に所属せず、技術だけで食べていく仕事です。

ほとんどが、最初は出版社などに勤め、人脈を築いてから独立してフリーになることが多いようです。

気になるお給料の話

職業画像お金photo:Tax Credits

お給料は非公開のところがほとんどでした。実際にお会いできて、話を伺えても、「お給料は社外秘です」ということです。「人並」「食べていける程度」「好きな仕事ですから、贅沢は言わない」というコメントもありました。

プロサッカー選手の場合

プロサッカー選手の年俸は、基本給+出場回数や成績により、毎年チーム内で決定されます。

成果プレミアム、勝利プレミアム、特別プレミアムなどの特別賞与も加算される場合があります。400万円~3000万円の間で幅も大きく、チームによっても違います。プレミアムの基準も、チームによって違います。

スポーツトレーナーの場合

クラブなどに所属するトレーナーの給与は、非公開になっているところがほとんどです。トレーナーのお給料は、町のフィットネスクラブだと時給1000円前後が相場です。

報道カメラマン

カメラマンの種類はいくつかあり、商業カメラマン(広告など)、営業カメラマン(フォトスタジオ)、報道カメラマン(報道写真)が上げられます。

サッカーに関係してくるのは、報道カメラマンです。出版社に勤務するタイプのカメラマンは、出版社のお給料に準じます。

フリーのカメラマンですと、個人の名前で写真集が出せるレベルで年収数千万が上限のようです。

鍼灸師・柔道整復師

町の民間治療院に雇われる形で月収17万円~という相場のようです。実業団のスポーツチームでも、月に20万円が目安だという話も聞きました。

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子どもたちに知ってほしい!サッカーの裏方職業についてのまとめ

将来、子どもたちの職業の選択肢になるかもしれないサッカー選手以外の裏方の職業について、実業之日本社から出ている『サッカーの憂鬱』(能田達規著)をテキストにそれぞれ深く掘り下げてみました。
①審判編
②クラブ広報編
③ホペイロ編
④実況アナウンサー編
⑤第3ゴールキーパー編

最後に

他にもサッカーに関わる仕事は、たくさんあります。フットサル場経営者、代理人、グラウンドキーパー、スクール運営者、通訳、ホペイロ…

ここでは、小学生・中学生のために、かなりおおまかに種類を分け、方向性をつかめるようにしてみました。興味がわいたら、ぜひいろいろ調べてみてくださいね。

今回、話を聞かせてくださった方々は、みな「技術があれば、実績があれば、仕事を続けていける」と言っていました。自分の技術を上げるために、たくさんの方が日夜努力をしています。

つい、サッカーは選手に目が行きがちです。選手が生き生きとプレーするためには、たくさんのかたの努力が必要で、その上にサッカー界が成り立っていることを取材を終えて深く感じました。

この記事を書いたライター

JUNIOR SOCCER NEWS統括編集長/事業戦略部水下 真紀
Maki Mizushita
群馬県出身、東京都在住。フリーライターとして地方紙、店舗カタログ、webサイト作成、イベント取材などに携わる。2015年3月からジュニアサッカーNEWSライター、2017年4月から編集長、2019年4月から統括編集長/事業戦略部。2023年1月からメディア部門責任者。ジュニアサッカー応援歴17年。フロンターレサポ(2000年~)

元少年サッカー保護者、今は学生コーチの親となりました。
見守り、応援する立場からは卒業しましたが
今も元保護者たちの懇親会は非常に楽しいです。

お子さんのサッカーがもたらしてくれるたくさんの出会いと悲喜こもごもを
みなさんも楽しんでくださいますように。

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