▲どのドアを開けますか?
6月に入ると全国各地で中学・高校の入試説明会が行われます。その際に企画される「部活説明会」「部活見学会」「部活体験」「セレクション」…、これらはジュニア・ジュニアユース選手たちにとって、学校選びに欠かせない、「どうしても知りたい情報」です。
栃木県の情報が手に入りましたので、県立高校全60校の情報を次のようにまとめました。
栃木県高校サッカー【中学3年生対象】全県立60校の学校説明会・サッカー部部活動見学情報を網羅!締め切り6月21日
他県でも同じように、「一目でわかるサッカー部入試」を目標に受験生に役立つ記事を作っていきたいと思っています。情報をご存知の方、下の投稿フォームからお寄せください。お願いいたします。
みなさまの情報が頼りです!
学校説明会に行くときのコツ
実際に昨年度の学校説明会・部活体験会に関する体験談を集めました。内容や見どころは全国どこでも変わらないのではないかと思います。
○忘れ物をしない。
○時間に遅れない。
○敬語を忘れない。
上記3点を守ったうえで、プラスワンの情報をどうぞ。なお、この情報は「推薦の声がかかっていないけれど、入りたいサッカー部がある」という選手を対象にまとめています。
雨でももちろんやる覚悟で。
「午後に部活体験(申込制)が予定されていて、当日は11時ころから雨が降り出しました。監督から、『部活体験はやりたい人だけ、あとは屋根の下で見学していて構わない』というアナウンスがありました。その日の体験会に申し込んでいた中学3年生は16名。雨でも着替えて練習会に参加した生徒は4人。その4人は体験最後に全員監督に名前と中学校名を聞かれました」(現高校1年生)
雨だからやらないのか。雨でもやるのか。そういう「やる気」は評価の対象になります。雷などの本当に危険なときは中止になりますのでご安心を。
行きたい高校の試合に誘われたら、行く。
「中学生と一緒に練習をしても、誰にでも『次の試合見に来いよ』なんて言うわけがない。個人的に声かけるのは、よほど『こいついいヤツ』って子だけ。自分たちも、こういう後輩と一緒にやりたい、という思いはある。試合に来てくれると、おっ、と思う。来年入ってこないかな、と楽しみにもなる」(現高校3年生)
練習会では、次に行われる公式戦の予定がアナウンスされ、「都合のつく人は行ってください」といわれることがあります。入りたいかも、と思う高校の試合には行きましょう。
その高校サッカー部のノリや応援の仕方がわかります。ある高校は非常に応援が少なく、聞いたところ1年生は試合中の80分間、ずっと外周を走るという高校がありました。こういうことはよくあることなので、判断基準にはなりませんが少なくとも「心の準備」には役立ちます。
部活に入って「何がしたいか」を考えよう。
もっと弱い高校で試合に出たほうがいいんじゃないの?
試合に出られないで高校3年間終わっても大丈夫か?
「部活の先輩にそう聞かれたことで、結構悩みました。でも、たとえ3年間試合に出られなかったとしてもこの高校でプレーしたいという結論になりました。結構受験勉強はつらかったです。でも、『ここでやるんだ』という決意を固めておいたから、つらい受験を乗り越えられたと思います。これから下剋上!」(現高校1年生)
強豪校は、各学年50人、そのうちキーパー10人以上(1~3年でFP120人、キーパー30人以上)というところが珍しくありません。その学校に何軍までのチームがあるのか、そして何軍までが公式戦に出られるのか、ちゃんと確認しましょう。
3年間続けられるか、ということを考えて、部活の雰囲気や先輩後輩の関係、コーチの人柄などをしっかりと見てきましょう。
体験会のレベルがその高校のレベルだと思わない。
「入試説明の体験会の対応は、1年生の仕事。アピール満々の中学生が来て、トップチームがケガとかしたら困るし。中学生にケガをさせるな、ということはコーチにすごく言われた。あとは、生意気な態度のやつが来てもスルーしろ、もめるな、と言われたな(笑)」(現高校2年生)
強豪校ほど、入試説明会のイベントとしての体験会・見学会というのは「そんな暇があったら練習したい」ものです。
なので、体験会の日はトップチーム&サテライトチームは合宿で不在、というのはよくある話です。また、中学生に本気で当たってけがをさせるのはNGと高校生は厳命されています。よく、上級生との混合型の練習会で「○○高校はちょろい」というのはだいたいとんでもない勘違いです。
募集を待たない。
「うちの学校は一般の募集はしてないと思う。セレクションも人数限定、という感じです。自分は一般入試でサッカー部に入ったけど、同じ部員で『秋には決まってたよ』という子たちもいてびっくりしました」(現高校1年生)
強豪校の体験会は、一般募集されることがない場合があります。特定のクラブチーム、各大会での声掛けによって選手が集められ、そのうえでセレクションが行われるところがあるからです。あるいは、その高校とジュニアユースの「練習試合」という名のセレクションが行われることもあります。
なので、HPに一般募集が出ているのを待っていると、気が付けば募集がないまま冬になった、ということもあります。大会で活躍している人や有名クラブチーム、強豪中学の人はいいのですが、そうでない選手は自分から問い合わせる気持ちを持ちましょう。もちろん、声がかかっていない選手のセレクション参加は断られる場合もありますが、受けてもらえることもあります。
完全特待はないと考えよう。両親の了解は絶対です。
「運動部はどこもそうだと思うけれど、遠征費が馬鹿にならない。関東一円が行動範囲だから。うちの学校は遠征バスがないから自前移動なんだけど、遠征バスを持ってるところはもう少し負担が軽いって聞きます。もちろん、サッカー部にかかる費用は最優先で出します。だって、お金出せないってことは親が試合に出さないっていうのと一緒だし。でも、入学前にもう少しお金の情報が欲しかったなあって思います…」(保護者)
全国的に、スポーツ特待(全額を学校が補助してくれる)制度が廃止の方向に向かっています。今年の要項を数十校分見ましたが、特待は「第1種(半額負担)」「第2種(月額一定負担=4,5万程度)」「第3種(月額一定負担=1,2万円程度)」のような段階式の区分になっているところが非常に多いです。
学費は免除されても、寮費や部費はかかるところ、寮費や部費は補助があるけれど学費は納めなければならないところなど、学校によってずいぶん違います。
ですが、全体的に言えるのは「全額免除」はよほどのことがないと無理、ということです。学費や部費を負担するのは保護者です。選手の皆さんはよく保護者と相談して決めましょう。
情報を募集しています
一生懸命進路選択をする中学3年生・小学6年生のために、学校見学・部活体験の要項などを募集しています。どうぞよろしくお願いいたします。体験会にまつわる口コミも募集しています!
最後に
夏は進路選択の時期でもあります。いままで部活ばかりという中学3年生、まだまだクラブユースの練習で大変という3年生。そして、推薦の声掛けはもらったけれどちょっとその高校は…と思ってどうしようと思っている3年生。いろいろな受験生がいると思いますが、思いはただ一つ、「中学・高校に入ってもサッカーがしたい」だと思います。
人生は1度だけ。悔いのない選択ができるよう、頑張ってください!