相変わらずのコロナ禍ですが、最近話題に上る「Jリーグコロナ特例」。これって一体何でしょう?
このシリーズは「スポーツビジネスに興味があるけど、なんだかよくわからないことが多いので簡単に教えて欲しい」という皆様に超ざっくりスポーツビジネス界の話題用語を解説するシリーズです。
Jリーグコロナ特例って何?
超ざっくりな解説
Jリーグには「この条件を満たさないとJリーグのクラブにはなれないよ」という条件がいろいろあります。
それを、コロナだからここ数年は条件を満たしてなくてもいいよ、としてあげる特例のことです。
この特例は2020年4月15日に発表されました。
どんなものが特例対象なの?
1番大きなものとしては「財務基準」の項目です。
ざっくり言うと「赤字になっちゃダメだよ」という規定があり、3期連続の赤字になってしまうとJ1,J2だと降格、J3だと勝ち点から10点引かれる措置が決められています。
コロナはスタジアムに人を呼べなくなるので、実質黒字にするのは非常に難しくなります。運営しているスクールなども人数を集められなくなることも考えられます。
なので、この「財務基準」が1番注目されています。
ほかに、「公認スタジアム(ホームゲーム数の80%を公認スタジアムで行わなければならない)」などがあります。これはコロナが流行しなくなればスタジアムで試合が行えるようになりますので、あまり今回の件に関して問題視はされていません。
何で今問題になってるの?
2021年10月26日にJリーグ理事会が「この特例は2021年度末までね」と定めたからです。
2022年度末から2023年度末までは「猶予期間」ということで債務超過が解消されていなくてもいいですが、「3期連続赤字カウント」がスタートしてしまうことになりました。
つまり、2022年シーズンから3期連続で赤字になってしまうと、J1、J2チームは降格。J3クラブは次のシーズンの勝ち点を10点減らされてしまうことになりました。
コロナ禍で赤字になっているチームは、猶予期間内に黒字に戻していかなければならないのです。
Jクラブは今どんなことになってるの?
2021年度の決算はまだ資料として発表されていませんが、2020年度の資料によると、単年度赤字クラブ(2020年度に赤字になったクラブ)は約6割にあたる35クラブ。債務超過という状態に陥ったクラブは約2割に当たる10クラブです。
原因としては、スタジアムに人を呼べなくなったことによる入場料の減少。
また、各クラブのスポンサーだった企業がコロナ禍であおりを受けて撤退した、というケースも多く見られます。
Jリーグは全部で56クラブあります。そのうち、2020年度債務超過に陥ったクラブはベガルタ仙台、セレッソ大阪、サガン鳥栖、東京ヴェルディなど10チーム。このチームがどう黒字化していくかが 焦点となっています。
もっと知りたい方はこちら(2020年度クラブ経営情報開示資料)
シリーズ一覧
LEAVE A REPLY