株式会社東洋館出版社は、2021年12月8日に、女子テニス界のレジェンドである伊達公子氏の『コートサーフェス研究 砂入り人工芝ではトップテニスプレーヤーは育たない』を刊行しました。
私が望むことは、日本の環境で育ったプレーヤーの中から世界トップレベルで活躍する選手が出てくること。そのためにはテクニックを教えるだけではなく、サーフェスの環境整備にエネルギーを注ぐことができる、テニス愛に溢れている人たちの力が必要になります。(――はじめにより)
サーフェスとは
サーフェスとはコートの床面のことで、大きく分けて、天然芝コート、クレーコート、ハードコート、人工芝コートの4つがあります。
それぞれのコートで行われている主な試合は、天然芝コートは全英オープン(ウィンブルドン)、クレーは全仏オープン、ハードコートは全米オープンと全豪オープンです。
砂入り人工芝コートは、日本では主流で、国内の約半数を占めており、国内大会の多くも砂入り人工芝コートで行われています。
伊達氏が自らアンケート調査
伊達氏は、26歳で一度プロ生活を引退しましたが、約12年のブランクを経て、2008年に競技テニス界に復帰しました。
復帰戦の舞台となったのは、砂入り人工芝コートの会場でした。
伊達氏はこのことにずっと違和感を持ち、テニスコートのサーフェスについて調査・研究をしました。
国内のトッププレーヤーやコーチ、テニスクラブ経営者らに大掛かりなアンケート調査を実施し、その結果をグラフ化しました。
そのうえで、日本における世界との環境の違いについて、問題提起をしています。
調査の結果、見えてきたこと
世界では、育成年代から天然芝、クレーコート、ハードコートで四大大会を見据えた練習を重ねます。
それぞれのコートで戦うときの注意点、戦略、ポジショニングの取り方、ショットの変化などを考えた対策を行います。
ところが日本では、育成・強化期になっても砂入り人工芝コートでのプレーが多く、明らかに世界的トッププレーヤーを輩出しにくい環境でした。
日本で第二の錦織圭、大坂なおみのような、テニストッププレーヤーを育てるためには、どんな環境が必要かを考えさせられる本です。
【著者紹介】
伊達 公子
1970年9月28日、京都府生まれ。
6歳からテニスを始める。
兵庫県の園田学園高校3年時のインターハイでシングルス・ ダブルス・団体の3冠を達成。
1989年、高校卒業と同時に プロテニスプレーヤーに転向。
1994年のNSWオープン(シドニー)で海外ツアー 初優勝後、日本人選手として初めてWTAランキングトップ 10入り(9位)を果たす。
1995年にはWTAランキング4位。
全豪(94)、全仏(95)、全英(96)でベスト4入り。
1996年11月、WTAランキング8位のまま引退した。
2008年 4月、プロテニスプレーヤーとして「新たなる挑戦」を宣言し、37歳で11年半ぶりの現役に復帰。
2017年9月12日の ジャパンウイメンズオープンを最後に2度目の引退。 その後、2018年に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に 入学し、1年間の修士課程を修了。
テニス解説やジュニア育成、テニスコート&スポーツスタジオやベーカリーストアのプロデュースなど、多方面で活躍中。
【書籍情報】
書 名:コートサーフェス研究 砂入り人工芝ではトップテニスプレーヤーは育たない
著 者:伊達 公子
判 型:A5判
頁 数:288
発売日:12月8日
価 格:2,530円(税10%)
ISBN:978-4-491-04546-7
発行元:東洋館出版社
URL:https://toyokanbooks.com/products/4546
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4491045461/
参照 PRTIMES
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